一関・平泉

五穀豊穣 除災招福願う 毛越寺で二十日夜祭 平泉

厳かな雰囲気の中、毛越寺常行堂で営まれた常行三昧供の法要

 平泉町の毛越寺(藤里明久貫主)で20日、常行堂二十日夜祭が行われた。作物の神として古くから信仰を集める摩多羅神(またらじん)の祭礼結願(けちがん)の日に、同寺を開いた慈覚大師伝来の古式にのっとった法要や、国重要無形民俗文化財「延年の舞」の奉納などを通して、一年の五穀豊穣(ほうじょう)と除災招福を願った。

 新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、常行講信徒らがJR平泉駅前から同寺まで練り歩く献膳行列や、火の粉を散らし、たいまつをぶつけ合う勇壮な火たきのぼり、蘇民袋の争奪戦など堂外での催事は3年連続で取りやめ。四方にしめ縄を巡らし、切り紙細工の飾り花や田楽用の花笠などをつり下げた堂内では午後3時から献膳式が行われ、本尊の宝冠阿弥陀如来に花献膳、奥殿に守護神として祭る摩多羅神に野菜献膳がそれぞれ供えられた。

 4時からは、慈覚大師伝来の古式にのっとり常行三昧供(じょうぎょうざんまいく)の法要が藤里貫主をはじめとする一山の僧侶11人により営まれた。夕暮れの中、厳かな雰囲気で進む法要の様子に、栃木県から訪れた岩城大輔さん(48)は「二十日夜祭があるのを知らなかったが、昔から続く祭りに接することができたので、無病息災を願った」と語った。

 法要を終えた8時からは、法楽として延年の舞が奉納され、僧侶や同寺ゆかりの子供たちによる「田楽」「唐拍子」「祝詞(のっと)」「花折」など古式ゆかしい歌舞が繰り広げられた。

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