北上・西和賀

伝統継承誓い躍動 県内外21団体、来場者魅了 鬼剣舞圧巻の大群舞 冬のみちのく芸能まつり【北上】

子供たちもあでやかな舞を披露した鳩岡崎座敷田植踊

 「鬼よ燃えろ!冬のみちのく芸能まつりPart13」は22日、北上市文化交流センターさくらホールで開かれた。地元の芸能団体をはじめ、「風流踊(ふりゅうおどり)」の国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産登録を記念し県内外から計21団体、約380人が出演。伝統芸能継承への思いを胸に、多様な演舞で約700人の来場者を魅了した。

 市民俗芸能協会が主催し、検温、手指消毒など新型コロナウイルス対策を講じて開催され、第1部は市内の芸能団体が登壇。川岸かっぱ太鼓が勇ましい演奏でオープニングを飾った。更木大竹神楽、道の上山伏神楽、黒岩鬼剣舞のほか、鳩岡崎座敷田植踊は3歳から20歳までの14人が、あでやかな衣装で舞を披露した。

 幼稚園時代から始めて8年になる藤原暉さん(江釣子小学校6年)は「みんなと楽しく踊れた。地域の伝統を守ることはいいこと。中学になっても踊りたい」と充実した表情。八重樫守代表(75)は「子供たちもいい機会になったと思う。少子化で人手不足だが、集落の協力を得ながら続けていきたい」と話した。

 第2部は県立伊保内高校が江刺家神楽、県立北上翔南高校が鬼剣舞で若さを前面に出し躍動。第3部は田代念仏剣舞(宮古市)に続き、今回無形文化遺産に登録された毛馬内の盆踊(秋田県鹿角市)、永井の大念仏剣舞(盛岡市)が熱演し、同じく風流踊で特別出演の綾子舞(新潟県柏崎市)も女子高生3人が古風でみやびやかな舞を見せた。

 第4部は岩崎、滑田両鬼剣舞(北上市)が無形文化遺産登録を記念し、勇壮に踊り、最後は市内鬼剣舞団体が圧巻の大群舞で締めた。

 来場者からは、演目が終わるたびに大きな拍手が送られた。同市立花の菅原靖耕さん(76)は「素晴らしい。特に風流踊に登録された団体は日常からかなり頑張ってきた成果が見られ、綾子舞は本当にきれいにそろっていた。神楽も歴史が感じられた」と感激していた。県外の団体も刺激になった様子で、柏崎市綾子舞保存振興会の髙橋一也代表(66)は「鬼剣舞は素晴らしいパワーで、若い皆さんが踊っていてびっくりした。綾子舞は小中高校と後継者を育成しているが進学などで地元を離れるだけに、20、30代の踊り手や指導者を育てていきたい」と語った。

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