貴重な文化財守れ 旧小原家住宅などで防火訓練 花巻
26日の文化財防火デーを前に、花巻市東和町谷内にある国の重要文化財に指定されている旧小原家住宅周辺で22日、防火訓練が行われた。消防署、消防団、文化財関係者、地域住民らが協力し、防火・防災意識の高揚を図った。
訓練は旧小原家住宅北側の山林から出火し、延焼の恐れがあるという想定で実施。消防署への通報、非常持ち出し品の搬出といった訓練に続き、火災防御訓練を行った。
火災防御訓練には、市消防団19分団の団員ら約40人が参加した。住宅敷地内の消火栓と、約300メートル離れたため池から取水、ポンプ車・可搬ポンプとホースとを連結させて送水し、火元へ放水した。
花巻中央消防署東和分署の小原一志分署長は講評で、各訓練結果は総じて良好だと評価し、消火栓からの取水については時間を要したためさらに訓練を重ねるよう促した。市消防団の鎌田幸也団長は「貴重な文化財。訓練を機にもう一度地域の文化財の大切さを再認識するとともに、防火活動を充実させてほしい」と呼び掛けた。
旧小原家住宅は寄せ棟造り、かやぶき屋根の曲がり家。由緒や建築年代は不明だが、この地域の一般的な農家で、平面や構造から18世紀中ごろの建築と推定されている。1969年に重文に指定され、76年に現在地に移築復元された。
市内では同日、太田の太田神社、大迫町外川目の宗通寺、石鳥谷町北寺林の稲荷神社でも防火訓練が行われた。