音響設備33年ぶり改修 花巻市文化会館大ホール
花巻市は、同市若葉町の市文化会館の大ホールを休館し、老朽化が進む舞台音響設備の改修工事に入る。休館期間は2023年7月中旬から9月末までの約3カ月間を予定。音響設備の更新は1990年の大規模改修以来33年ぶりで、23日に開かれた市議会臨時会で工事請負契約の締結に関する議決議案が可決された。
同会館は市内唯一の1000人収容規模の大ホール(1100席)をはじめ、中ホール(250席)、展示ホール、楽屋(4室)、会議室(8室)などを備える。メイン施設の大ホールは年間を通じて各種イベントや大会など会場として利用されているが、音響設備の更新から30年以上が経過し、中には保証期間を過ぎているため修理や交換部品の保管、代替品がない機器もあり、経年劣化に伴う故障が懸念されていた。
工事では近年の音響機器のデジタル化に対応し、音響面や運用面での機能性向上を図る。大ホール舞台上に設置するマイクや再生機器などから音源を集約、調整した上で各種機器を通して会館内にある多数のスピーカーから音を出すための一連の設備を更新する。
スピーカーは34台を更新。広域エリアに均一に音を送り届けられる伝導性に優れたラインアレイスピーカーを採用する。
休館について市文化会館は利用者団体などに既に知らせているほか、今後、市広報やホームページなどで周知を図る。休館期間中の代替施設としては同館中ホールや、530席のホールがあるなはんプラザなどの利用を呼び掛ける。
同会館では「利用者には迷惑をかけるが、文化拠点として施設を安全・安心に快適な環境で使ってもらうため、整備を進めたい」としている。
工期は9月29日。工事費を含めた総事業費は約3億1300万円。