修了控え研究成果発表 内定企業が助言指導 黒沢尻工高専攻科【北上】
県立黒沢尻工業高校専攻科課程工業技術科の修了研究発表会は27日、北上市村崎野の同校で開かれ、春に修了を控えた2年生8人が専門的な学習に取り組んだ成果を披露した。
専攻科の学習の集大成となる修了研究は、学生が内定企業と直接情報交換し、テーマ選定や進め方についてアドバイスを受けながら研究を進めるユニークで実践的な取り組み。
発表会には内定企業や地域企業などから約30人が参加した。
研究テーマは「シーケンサを利用した自動薬品充填(じゅうてん)・搬送装置の製作」「半導体製造における熱処理工程のFA装置製作」など。1人20分以内で研究目的や装置の概要、製作過程、改良点、反省点、考察などを画像や実演を交えて発表し、テーマ設定や発表の分かりやすさ、創意工夫、意欲などの評価を受けた。
杉村駿汰さん(19)は運搬作業の負担軽減に向け、作業員に追従する台車と荷物授受装置の設計製作に取り組んだ。台車が指定した色に反応したり、スムーズな動作ができるように改良し、「良いアイデアが出るまでトライアンドエラーを繰り返し、考え抜く力を身に付けることができた」と成果をまとめた。
内定企業からは「バイタリティーを持って高いハードルに取り組み、達成感があると思う」とのコメントがあり、杉村さんは「4月からは装置の維持管理などを担当するので、コミュニケーションを取って早く作業を覚えたい。今回の研究のように、仕事でも最後まで諦めずに力を付けていきたい」と話していた。