時超えた優美な音色 花巻中で雅楽鑑賞会
花巻市若葉町の市立花巻中学校(柏葉廣喜校長)の1、2年生が27日、日本の古典音楽である雅楽に触れた。生徒たちは美しい音色を聴きながら、雅楽の演奏や舞に見入った。
県南地方の神職で構成する「優美な音色の会」による出前授業。笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)、鞨鼓(かっこ)、太鼓、鉦鼓(しょうこ)の3管3鼓編成で、合奏の始めに音律を整える「音取(ねとり)」をはじめ、正月や結婚式などで耳にする機会の多い「越天楽(えてんらく)」、神社の大祭で奉納される「朝日舞」など計5曲が披露された。
演奏の合間には雅楽の成立や楽器についての解説、演奏終了後は楽器を実際に間近で見る機会も設けられた。
同日は1、2年生300人余りが鑑賞。1年葛巻実桜さん(13)は「現代の音楽とリズムが異なり、とてもゆったりとして落ち着く感じがした」と聴き入っていた。笙の演奏の仕方について教わった1年伊藤莉杏さん(13)は「押さえる穴の組み合わせから練習を始めたと聞いた。リコーダーと似ている感じがしたが、演奏するのはとても難しそう」と話していた。
雅楽の鑑賞会は、同校音学担当の菅原広人教諭が同市上根子の熊野神社の例大祭前夜祭で優美な音色の会の演奏を鑑賞したのがきっかけ。生徒たちに生の演奏に触れてほしいと、同神社宮司で同校PTAの平賀裕貴会長が縁で実現した。平賀会長は「時空を超えて1000年前の日本人の感覚を音として聴いてほしい」と話していた。