奥州・金ケ崎

笑いと感動 大団円 水戸黄門きょう最終日 文士劇15年の歴史に幕【奥州】

奥州市民☆文士劇で水戸黄門の物語を繰り広げるキャスト

 第15回奥州市民☆文士劇(江刺体育文化会館ささらホールなど主催)公演は28日、同市江刺大通りの同ホールで始まった。市民の元気を長年発信してきた舞台も今回が最後。「水戸黄門 涙のあとには虹が出る。明日に向かって、さあ歩け!」で集大成を見せている。最終日の29日は2回公演を予定している。

 市町村合併を受け、演劇を通して地域づくりの活力を生み出そうと始まった。娯楽性の高い内容や生演奏、文士らゲストの出演、専門家団体からも高い評価を受ける照明など、特色ある舞台を15年間続けてきた。実行委で中核のNPO法人いわてルネッサンス・アカデミアは、会員の高齢化などを理由に今年度末で同ホールの指定管理を更新しないことを決定。活動の拠点が転機を迎えることを受け、今回の公演を最後にすることにした。

 初日はキャスト、スタッフ、スペシャルバンドら約120人体制で上演。観衆約420人が詰め掛けた。物語は、黄門さまがおなじみの旅を始めるきっかけの出来事。庶民の暮らしを知らないまま世直しを思い立った黄門さまを気遣い、幕臣たちは旅先で悪代官らが暗躍していると見せ掛けた芝居を打つ。仕掛けに気付き落胆する黄門さまが世間を知っていく中、本当の陰謀が姿を見せる―という粗筋。

 第1回と同じ水戸黄門をモチーフに、これまでの蓄積を生かした派手な舞台を展開。観衆は笑いあり、人情あり、アクションありの盛りだくさんのステージを楽しんでいた。

 カーテンコールで高野誠司実行委員長は、作家平谷美樹さん(金ケ崎町)、倉成淳市長ら文士ゲストを紹介し、「素晴らしい舞台をつくりあげた皆さんに拍手を。長い間本当にありがとうございました」と感謝した一同の気持ちを代弁。観衆は幕が下りるまで拍手を送っていた。

 平泉町の60代女性は「テレビの放送で見たことはあったが、初めて生で見て楽しめた。これで終わるのはもったいない」と話していた。

 29日は午前10時30分、午後3時に開演する。

▲カーテンコールで万感の表情を見せるキャストとスタッフ

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