北上・西和賀

優先交渉権者を選定 4月基本協定締結へ 市、2社構成のグループに 北上駅西口・柔剣道場 土地利活用事業

優先交渉権者から提案された完成イメージ図。左側に10階建て賃貸マンションなどの民間収益施設、右側に柔剣道場、弓道場の市営体育施設を建設。収益施設手前に平面駐車場、体育施設奥側に立体駐車場が配置される(北上市提供)

 北上市が公民連携で手掛けるJR北上駅西口の柔剣道場等土地利活用事業で市は6日、不動産業久保田ホールディングス(仙台市)と建設業タカヤ(盛岡市)を構成員とする「北上駅西口ウエルネスプラザ事業グループ」を優先交渉権者に選定したと発表した。同グループは新しい柔剣道場と弓道場などが入居する北上市営体育施設に、10階建てマンションなどの民間収益施設、立体駐車場などを建設。体育施設は2024年9月、民間収益施設は25年12月の完成を見込んでいる。

 同事業グループの提案内容は、市営体育施設の1階に柔剣道場、2階に弓道場を設置。完成後は市に移管する。1階の一部は民間運営のアトリウムとし、ガラス張りの屋内型イベント広場とする。

 民間収益施設の2~10階は賃貸マンションで、1階にはプロチーム運営による県内初のe―スポーツ施設、女性向けトレーニング施設、シミュレーションゴルフ施設、店舗が入居する予定。賃貸住宅は単身向け108戸だが、家族向けに転用もできる。駐車場は立体135台分、平面29台の合わせて164台分用意する。

 市は老朽化している同市幸町の市民柔剣道、市民弓道場などを撤去した上で、駅周辺の立地条件を生かし、市有地約5900平方メートルの敷地に民間資金で両道場の機能を組み込んだ施設を建設しようと22年10~12月に公募。2グループから応募があり、今月2日に大学教授ら外部有識者と市幹部の7人による選考委員会で実施体制や収支計画、施設全般、事業コンセプト、スケジュール、景観などを最終審査した。

 委員1人100点の計700点満点で、同グループは568点を獲得。基準点(420点)と各委員60点以上の要件をクリアし▽企業立地促進による住宅不足解消▽賃貸住宅は可変性ある仕様で、時代のニーズに対応できる▽両道場から派生し、ウエルネスをテーマに空間が形成される―と評価された。次点交渉権者はスパット北上、小原建設、高橋設計の市内3者のグループ。

 事業費は市負担分が既存施設解体費約3億円と体育施設建設費等5億円ほど、同グループは民間収益施設分15億7000万円。市は同グループに土地を無償貸与する方針。

 4月に市と同グループが基本協定を締結し、6月に市議会で土地契約関係の議決を得て7月以降、既存建物を解体し年内に撤去を終える予定。体育施設は24年初めに着工、同年9月に完成し、新しい柔剣道場と弓道場の利用を開始する。民間収益施設は同年10月に着工し、25年12月の完成が見込まれている。

 髙橋敏彦市長は「まずは実現可能な提案でスタートを切ることができ、ほっとしている」と語った。特に体育施設は市が期限としていた26年3月より1年半早く完成が見込まれ、歓迎の意を示した。

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