花巻

花巻東あっての作品 映画「甲子園」山崎エマ監督 上映会で撮影秘話披露

大勢の市民らが来場した「甲子園 フィールド・オブ・ドリームス」上映会
▲上映後、舞台あいさつする山崎監督

 ドキュメンタリー映画「甲子園 フィールド・オブ・ドリームス」上映会は4、5の両日、花巻市若葉町の市文化会館で開かれた。2日間で県内各地から約1000人が来場し、甲子園を目指す高校球児らの熱いドラマを鑑賞したほか、上映後に行われた山崎エマ監督の舞台あいさつに興味深く耳を傾けた。

 「甲子園―」は、花巻東と横浜隼人(神奈川県)にスポットを当て、2018年夏の第100回高校野球選手権記念大会に挑む球児や監督への長期取材を通して、高校野球の今と未来を考える作品。花巻東出身の菊池雄星投手と大谷翔平選手も出演し、甲子園への思いなどを語っている。

 上映会は2022年2月にも企画されたが、新型コロナウイルスの影響で中止された。5日の上映会には県内各地から多くの高校野球ファンらが詰め掛け、野球スポーツ少年団の子供たちの姿も。来場者はスクリーンに映し出される選手らの悔し涙や監督が苦悩するシーンなどにくぎ付けとなり、明るい未来を感じさせるエンディングでは会場から拍手が湧き起こった。

 舞台あいさつで山崎監督は「日本独特の文化である高校野球を通して日本の良さを世界に発信できるのではないかと思った」と制作の意図を明かした上で、「花巻東高なしでは成立しない映画で、その地元で上映できることをずっと楽しみにしていた」と話した。

 花巻東が盛岡大附に逆転勝ちを収め、3年ぶりの夏の甲子園出場を決めた18年の岩手大会決勝では「甲子園を舞台にした映画なので、『何とか勝って』と泣く思いで応援していた」と当時を振り返った。花巻東の佐々木洋監督についても「撮影が嫌いな方で、思いを伝えるため何度も通った。ある朝、すごい映像を撮ることができて、昼に食べた焼き肉がすごくおいしかった」と笑いながら撮影エピソードを披露した。

 作品は19年に米国のドキュメンタリー映画祭で入選し、翌年にはスポーツ専門局で全米放映され大きな反響を呼んだ。山崎監督は「日本や日本人に対するイメージが変わったという声も多い。高校野球を通して、子供たちの未来を考えてもらえるような作品にしており、これからも上映し続けたい」と語った。

 作品のDVDが今春発売される予定で、上映会では山崎監督の直筆サイン入りで先行販売され、多くの来場者が買い求めていた。

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