花巻

ユーモア満載で熱演 賢治戯曲4作、観客堪能 市民劇場【花巻】

だまされた農民らが最後には医師を許す「植物医師」の一場面=18日
市民劇場初参加で、バナナン大将を好演した杉本さん(左)=18日

 花巻市民劇場の第47回公演「宙(そら)の巡りのめあて~宮沢賢治戯曲四部作~」は18、19の両日、同市若葉町の市文化会館で開かれた。本格的な芝居劇は3年ぶりとあって2日間で約250人が来場し、市民手作りの舞台を楽しんだ。

 市民劇場は市が主催、同劇場実行委員会(高橋信也会長)が制作。2022年12月に旗揚げ式を行い、キャスト、裏方合わせて二十数人が週3日のペースで準備を進めてきた。

 演目は、新型コロナウイルスの影響で中止した21年公演で上演を予定していたもので、方言を分かりやすくするなど観客がより楽しめるように一部手直しした。高橋会長が脚色・演出を務めた。

 戯曲「植物医師」「飢餓陣営」「種山ケ原の夜」「ポランの広場」は、農学校の教師をしていた宮沢賢治が脚本を書き、生徒たちに演じさせていた作品で、1924年8月には4本立てとして同時上演された。

 「植物医師」は、植物病院を開業した医師が、相談にやって来る農民たちにいい加減な処方をして診察料を受け取るという物語。医師と実直な農民たちのユーモラスな会話が見どころで、来場者は笑いながら芝居を楽しんでいた。

 キャスト総出演の「飢餓陣営」では、小学生ら子供たちも出演。バナナン大将が付けた本物のバナナのエポレット(肩章)を口いっぱいに頬張ったり、元気よく生産体操をしたりと名演技を見せていた。

 バナナン大将役のほか、「植物医師」の農民役、「ポランの広場」の紳士役でも好演した同市石神町の杉本善樹さん(63)は今回が市民劇場デビュー。「知人に誘われたこともあるが、定年退職して時間的に多少余裕ができて、新しいことをやってみようと思った」のが参加のきっかけといい、「疲れた。でも、お客さまから温かい言葉を掛けていただきうれしかった」と笑顔を見せていた。

 高橋会長は「多くの来場者が『面白かったよ』と言ってくれた。市民劇場のオリジナリティーを加味しつつ、宮沢賢治の愉快な戯曲の世界感を届けることができた」と語っていた。

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