奥州・金ケ崎

ミュージカル出演へ 水沢出身・ルイスさん 「ファインディング・ネバーランド」 5月から新国立劇場などで上演【奥州】

ミュージカル「ファインディング・ネバーランド」に出演する奥州市出身のルイスさん

 奥州市水沢出身のルイス魅麗セーラさん(25)=川崎市在住=は、東京都の新国立劇場(5月15日~6月5日)を皮切りに5都市で公演されるミュージカル「ファインディング・ネバーランド」に出演する。「ピーターパン」誕生に秘められた感動の実話を基にした作品で、ルイスさんは劇団員などを演じるアンサンブルキャスト。大学卒業時にコロナ禍で公演自体がない時期を経験したルイスさんは今回の大舞台がミュージカル作品デビューといい、「大きな舞台だけでなくミュージカルの良さを伝えられる作品に出演したい」と目標を語っている。

 ルイスさんがミュージカルと出合ったのは、小学5年生の時。奥州市胆沢の胆沢文化創造センターで開かれているいさわジュニアミュージカルスクールを見て、初めて自分から「やってみたい」と思いこの世界に飛び込んだ。

 同スクールで指導に当たっていた劇団ゆう(滝沢市)の演出家からプロになった方が良いと言われ、「ずっとやれたらと考えていて、選択肢の一つになった」という。

 地元の中学校を卒業し、姉らが通った不来方高校に入学。ただ姉とは違い音楽コースではなく、外国語学科を選んだ。同スクールでダンスを教えてくれた小笠原華さん(一関市)の影響もあり、高校卒業後は昭和音楽大ミュージカルコースに進学。同大2年の2017年にはブロードウェイで絶賛された同ミュージカルの日本公演があり、ルイスさんは「久しぶりに舞台を見て号泣した」と語る。

 ルイスさんの同大卒業時は新型コロナウイルスが猛威を振るうさなか、ミュージカル公演も相次いで中止や延期となっていた。「落ち着いてきてもオーディションのチャンスが回ってこなかった。キャリアがなくその後も書類審査で落ちて『力が出せない』と途方に暮れた」と振り返る。

 そんな中、21年11月の「ブロードウェイ・ミュージカルライブ2021」への出演が決まり、コーラスとしてデビュー。「ファインディング―」日本初演を聞き付けると「出たくて出たくて。出ないといけない」と思い、オーディションを受けた。

 合格の報を受け、「出てみたかった作品でミュージカル作品の初舞台を踏めるのはありがたいし、幸せなこと」と喜ぶ。会場となる同劇場は「ミュージカルを始めた小学生の頃に『アニー』を見た劇場。その時はこの舞台に立つのは現実的ではないと思っていた。夢のまた夢で想像できていなかった」とも語っている。

 今回の作品は小山ゆうなさんによる新演出。主人公のバリ役に山崎育三郎さん、シルヴィア役に濱田めぐみさんという2大ミュージカルスターの共演。さらにフック船長と劇場主フローマン役に武田真治さん、モーリエ夫人役に杜けあきさん、バリの妻メアリー役に夢咲ねねさんといった豪華俳優陣が集結した舞台には期待が寄せられている。

 3月からは本番に向けて次第に本格的に動きだす。ルイスさんは作品について「大人になって忘れてしまっていたものを思い出させてくれる作品。多くの人に楽しんでもらいたい」と紹介。今後については「プロにこだわらず、自分の好きなことを続けていければ、そして良い作品をつくっていければと思う」と抱負を語っている。

 同公演は今月22日にチケット一般発売。チケットはホリプロチケットセンター=03(3490)4949=などで取り扱う。問い合わせは同センターへ。

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