北上・西和賀

消防団員減少抑制へ 「休団制度」を導入 北上市 来年度

 北上市は2023年度、消防団員が異動や家庭の事情などで、一定期間活動を休止できる「休団制度」を導入する。休団前の身分、階級を保証し、事情が解消されれば復職できるよう制度化。団員減少抑制の一助とする。

 全国的に消防団員確保が課題となる中、消防庁は休団制度の活用を各自治体に通知。同市でも22年度、団員から異動による休団の相談が2件あり、市は分団長、副分団長、各部を対象にアンケートを実施。全体の46・1%が「休団制度が必要だと感じたことがあった」と回答した。

 13年度当初は団員数990人、平均年齢41・9歳、被用者の割合は72・9%だったが、22年度当初は890人、44・7歳、85・7%。団員数は100人減少し、平均年齢も3歳弱上がった。誘致企業が多い市の特性から被用者の割合が一層高くなり、県外へ転勤のケースも目立つ。これらの事情を踏まえ、団員の減少に歯止めをかけるため市も休団の制度化を決めた。

 主な内容は「転勤や育児、介護等やむを得ない事情により願い出た場合、休団できる」とし、全国の事例を踏まえ▽休団期間は3年を超えない範囲内。必要と認められる場合は延長できる▽復職時は、休団時の階級とする▽休団期間中は報酬を支給せず、退職報償金算定の期間に含めない―とした。

 市は、市議会3月通常会議にこれらの内容を盛り込んだ市消防団条例の一部改正案を提出する方針で、議決を経て4月から運用を開始する。

 県内他市では花巻市、宮古市で休団制度を導入済み。転勤や病気で休団する例があるという。

 これまで県外への転勤の場合は退団するケースが多く、再入団も可能だったが一度退団すると戻りにくかった面もあるとみられる。市危機管理課の髙橋英樹課長は「団員の身分を確保し、いつでもカムバックできる体制とした。状況が整えば、ぜひまた戻ってきて活動していただきたい」と話している。

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