一関・平泉

せりふ回し表現豊か 藤沢市民劇場・藤沢本郷繁盛記 感動呼ぶ身分違いの恋【一関】

2年ぶりに上演された第24回一関藤沢市民劇場「朗読劇 藤沢本郷繁盛記」

 第24回一関藤沢市民劇場「朗読劇 藤沢本郷繁盛記」(実行委主催)は26日、一関市藤沢町の藤沢文化センター「縄文ホール」で上演された。江戸時代末期の同町本郷地区などを舞台に、少女らの葛藤や恋模様を描写。動きの少ない朗読劇だったが、キャストによる豊かな表現力と音響・照明陣の高い技術で来場者を物語の世界に引き込んだ。

 同劇場は、縄文ホール建設をきっかけに旗揚げした市民劇団。2000年の第1回公演以来、町内の史実や伝承などをテーマにした創作舞台を演じてきた。新型コロナウイルス感染拡大後には上演の在り方を模索。第22回は例年とは方法を変え朗読の形態で上演し、前回は例年通りの演劇スタイルに戻して開催するはずだったが、感染防止のため中止を余儀なくされた。

 2年ぶりとなる今回は再び朗読劇で、ペンネーム・AKHさん(同市藤沢町)の原作を基に同劇場脚本制作班が脚色。呉服問屋の奉公人・よねが、藤沢館の奉行を務める梅木家の息子・新之助に一目ぼれし、身分の違う恋の物語が展開していく。思いを寄せ続けるよねの心情や立場の変化など、それらを取り巻く人間ドラマが感動的かつコミカルに繰り広げられた。

 一関藤沢市民劇団の千葉憲一団長は「(新型コロナは)まだまだ油断できない状況ということで、今回も朗読劇に挑戦した。見る方によっていろいろな感想があると思うが、手探りで『朗読劇とは何ぞや』というのを試してみた」と語り、大きな拍手を浴びていた。

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