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地域とともに邁進 岩手日日創立100周年記念式典

岩手日日新聞社創立100周年記念式典で式辞を述べる山岸社長

  岩手日日新聞社(山岸学代表取締役)の創立100周年記念式典は26日、一関市山目のベリーノホテル一関で行われた。マスコミ関係者や県南自治体の首長、商工団体などの代表者、同社役員ら約60人が出席する中、山岸社長は購読者をはじめ、関係機関・団体の理解と支援に感謝した上で「大正、昭和、平成、令和と時代をつないできた私たちの新聞が地域の一助となるよう、役員と社員が一丸となって読者らの期待に添えるよう全力で邁進(まいしん)していく」と語り、地方紙としての使命を果たし続けていく決意を示した。

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 式辞で山岸社長は、戦後間もない一関市街地を襲った1947、48年のカスリン、アイオン両台風をはじめ、2008年の岩手・宮城内陸地震や11年の東日本大震災といった災害を乗り越え、発行を継続してきた歴史に触れ、「幾多の苦難を社員一丸となって乗り越えるとともに、住民から寄せられる苦情や叱咤(しった)激励に姿勢を正し、感謝の言葉に勇気づけられ、100年を迎えることができた」と謝意を表した。

 その上で「岩手日日の発行数、いわゆる紙齢は本日で3万2396号になった。一号一号に社員の情熱と不断の努力、地域の歴史が記録されている。先輩社員らがこつこつと築き上げてきた100年の歩み、実績に自信と誇りを持ち地域発展に貢献できたら幸いだ。これからも読者目線で確かな情報を発信し、多くの読者に喜んでもらえる新聞にしていく」と語った。

 同社の歩みをまとめた映像上映に続き、来賓を代表して達増拓也知事、一関市の佐藤善仁市長、読売新聞グループ本社の山口寿一代表取締役社長が祝辞を述べた。

 このうち達増知事は「県南の地は農業生産性の高さや進んだ農業技術を特徴とすることに加え、奥州、東北全体の精神的中心である平泉があり、全国的に有名な蘭学者らを多く輩出している。伊達藩、田村藩の魂と頭脳の役割を果たしていた地域が県内にあるということは掛け替えのないことであり、県南のメディア岩手日日の価値にもつながっている」と語った。

 このほか、式典では長年にわたって市内で岩手日日の配達業務を担っている阿部新聞店(阿部たい子店主)、伊勢田新聞店(伊勢田利信店主)、小野寺新聞店(小野寺守店主)の各店主に対し、山岸社長から感謝状が贈られた。

 同社は、初代の山岸憲彰が1923(大正12)年2月24日に設立した「いちのせき新聞社」が前身で、同26日に「夕刊いちのせき」を創刊した。戦時中の混乱を経て46年2月に朝刊発行に切り替え、題字も現在の「岩手日日」に改めた。一関市から発行エリアを拡大し、現在は一関・平泉地方と、胆江・北上・花巻地方の県南エリアで日刊紙「岩手日日」を発行している。

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