北上・西和賀

利用団体「困る」 北上市が説明会 今月廃止・勤労者体育セ

北上勤労者体育センター廃止についての説明会。利用団体からは困惑の声、切実な要望が相次いだ

 北上駅西口再開発事業の本格始動による北上市民柔剣道場、弓道場の建て替えに伴い、隣接する同市幸町の北上勤労者体育センターが3月末で廃止される件で、市は1日、利用者団体への説明会を市生涯学習センターで開いた。市側は4月以降の代替施設として既存の黒沢尻体育館、3月末で閉校する照岡小学校体育館を体育施設化する稲瀬スポーツ交流館、小中学校の学校開放などを提案。参加者からは同交流館への交通手段確保や学校開放の学区外適用、廃止時期の延長などを求める意見が出された。

 中学校の部活動やスポーツ少年団、各競技の利用者団体の関係者約20人が出席し、市スポーツ推進課が説明。同体育センター機能も併せ黒沢尻体育館を機能強化し新体育館とする方針を示したが、具体的な場所や時期などは未定とした。4月以降は同交流館、開校する東桜小学校も含めた学校開放活用を推奨。今後、建て替え事業に入る統合北上中学校も、2028年度に第二体育館を利用できるとした。

 出席者からは「今月末に廃止と言われても困る。早く連絡が欲しかった」「もう差し迫っていて、4月から活動をどうしようか悩んでいる」「新体育館が決まらないのに見切り発車では困る」「盛り上がっている北上のスポーツの足を引っ張るのか」との困惑の声や、「施設がなく解散を決めた団体もある」「他の施設も抑えられ施設難民になり、大会に向けた練習ができない」「どうしたら今までと変わりなく使えるのか。もっと寄り添って」との切実な訴えがあった。

 同交流館は奥州市境にあることから「子供たちや交通弱者は足がなければ行くのは無理。市がバスを出すべきだ」との意見や、7月に予定される同体育センター解体には「(中学校総合体育大会を控える)中学3年生のためにも工事に入る前まで使えないか」との要望もあった。

 学校開放は北上市の規則で原則、学区内に代表者がいる団体が利用可能。出席者からは学区外も含めた柔軟な運用を求める意見が相次いだ。さらに、他の体育施設も予約の殺到が予想されることから、調整の場設置を求める声も目立った。

 市側は市民柔剣道場、弓道場の建て替え事業や業者が決定した2月まで正式な周知ができなかったと釈明。稲瀬までのバス運行や同体育センター廃止時期延長、学校開放の拡大についてはいずれも「検討する」と繰り返した。

 同体育センターを週2回利用している北上中バレーボール部スポーツ少年団父母会の髙橋真紀子会長(43)は「ここに来るまで情報がなく、どうしようか模索していた。(学区内の)黒沢尻東小と黒沢尻西小の体育館はバレーのポールが立てられず利用できない。生徒たちが(自転車などで)稲瀬まで行くのは危険で、せめて送迎などの代替案が欲しかった」と語り「(同センター利用を)6月の中総体まで延ばし、東陵中の体育館も使えるようにしてほしい」と切望した。

 説明会終了後、小田嶋和広スポーツ推進課長は「各団体の活動が減らないよう協議、対応したい。方針が決まり次第、説明会に参加していない競技団体以外にも情報提供していく」と配慮する姿勢を示した。

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