一関・平泉

悲恋、心情歌い上げ 地元出身声楽家ら熱演 オペラ「ロミオとジュリエット」【一関】

オペラ「ロミオとジュリエット」で熱演する(左から)曽部さん、清水さん

 一関地方出身の声楽家によるオペラ演奏団体・オペライーハトーブは4日、「ロミオとジュリエット」を一関市大手町の一関文化センターで上演し、美しい歌声と迫真の演技で観客を悲劇の世界にいざなった。

 同市の音楽文化発展・振興を目指すフィオーレ・フォンテコンサート実行委員会が主催。オペライーハトーブにとっては第4弾の公演で、同市出身のテノール歌手・曽部遼平さんがロミオ、平泉町出身のソプラノ歌手・清水智子さんがジュリエットを演じ、曽部さんと同じ東京芸術大卒の高橋健介さんがピアノ演奏、同市出身の村上彩人さんがナレーションで出演した。

 上演作品は、シェークスピアの戯曲を原作としてフランスの作曲家シャルル・グノーが作曲した全5幕のオペラ。曽部さんと清水さんは、敵対する家柄に生まれながらも愛し合い、ひとときを分かち合って死に向かうロミオとジュリエットの心情をピアノの調べに乗せてドラマティックに歌い上げた。歌は全てフランス語で、分かりやすいように日本語の字幕が舞台両脇に上映されたほか、村上さんが幕間に状況を解説した。

 来場者は悲劇の行方を見届け、大きな拍手を送った。曽部さんと清水さんの指導を受けている市立磐井中学校合唱部の小野寺杏珠さん(2年)は「ロミオとジュリエットのストーリーをあまり知らずに見たが、気持ちを込めて演じられていてすごくすてきだった」と振り返り、髙橋瑠菜さん(同)も「初めて見たが、はかなさや美しさが表現されていて、ピアノも雰囲気を醸し出していて感情移入できた。素晴らしい公演だった」と目を輝かせていた。

 終演後、曽部さんは「観客が舞台に引き込まれている感覚があって演奏しやすかった」と手応えを語っていた。オペライーハトーブは一関地方にオペラ文化を普及させようと地元で定期的に公演しており、次回は6月に喜劇を上演する予定。

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