移動手段 どう確保 高齢者の外出支援理解 ふるさと高松げんき村 シンポで講話、事例発表【花巻】
花巻市のふるさと高松げんき村(神山儀悦会長)が主催するシンポジウム「住みなれた地域で安心して暮らしたい、岩手の外出支援・生活支援を考える 2022」は3日、同市石神町の市総合福祉センターで開かれた。オンラインと合わせて20人が参加し、参加者が実例発表や講話を通じて移動支援の重要性について理解を深めた。
高齢者らの移動手段確保について考えてもらおうと開催。講話では埼玉県在住でNPO法人全国移動サービスネットワークの伊藤みどり事務局長(48)が「全国の移動支援状況について」と題して語った。
伊藤事務局長は宮古市、広島県、神奈川県などの移動支援に取り組む自治体の事例を紹介。タクシーのサブスクリプション(定額制)、車を複数で共有するカーシェアリングなど新しい選択肢も増えてきているといい「企業や地域行政がさまざまなチャレンジをしている」と語った。
移動支援は「交通手段を用意するだけではない。公共サービスでは満たせない住民のニーズに応えることが大事」と説明。地域コミュニティーによる取り組みは「一緒に買い物に行くことで地域住民の新たな交友関係が広がる」などとメリットを解説し、「住民ができること、得意なことを考えて実践することが大切」と語った。
事例発表では大船渡地区吉浜地区助け合い協議会、遠野市小友町長野地域ふれあい協議会などがそれぞれの取り組みについて紹介した。