大谷2打席連続3ラン 侍J、阪神に快勝 強化試合
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本代表「侍ジャパン」は6日、京セラドーム大阪で阪神と強化試合を行い、3番指名打者で出場した大谷翔平(エンゼルス、花巻東高出)が三、五回に2打席連続で3ランを放ち、8―1で快勝した。
この日から米大リーグ所属選手が出場可能になり、1番中堅で臨んだヌートバー(カージナルス)が三回に先制打、5番左翼の吉田(レッドソックス)は五回に適時二塁打を放った。先発登板した山本(オリックス)は3回1失点。
日本は7日、オリックスとの強化試合に臨み、9日に1次リーグB組初戦の中国戦(東京ドーム)を迎える。
帰国後初めて試合に出た大谷に、満員の観衆が求めるのは大きな本塁打。三回、走者を2人を置いて迎えた第2打席で力を見せつけた。
一回は高めの速球に空振り三振。三回も直球を打ち損じて追い込まれていた。だが、4球目に来た低めの変化球を体勢を崩されながらもしっかり捉えた。振った後に左膝が地面に着くほどだったが、強烈な打球があっという間にバックスクリーン右に飛び込んだ。「時差ぼけで体調は100%ではないけど、いいスイングができた」
日本での試合は2017年10月9日以来。18年からメジャーで活躍し、当時以上の大スターになって帰ってきた。打席に立てば、スタンドでは多くの観客がスマートフォンを構えてその姿にくぎ付け。試合開始に備えるウオーミングアップの前には、三塁側エキサイトシートで数人のファンにサインのサービスも。9日に初戦を迎える大会でも、チームメートやファンの期待に応えてくれそうだ。
先発陣の一角として期待される山本が、順調に調子を上げてきている。速球は最速で159キロを計測。多彩な変化球も織り交ぜながら、力で押した。三回2死からソロを含む3連打を浴びたのは余計だったが、3回を4奪三振の1失点。「いろいろ試し、良い感覚が戻ってきた」とうなずいた。
オリックスで昨季は2年連続で沢村賞と投手4冠に輝いた右腕。2021年の東京五輪で獲得した金メダルに続く頂点を目指し、「本大会も頑張りたい」と話した。
日系人の米大リーガーとして初めて侍ジャパン入りしたヌートバーが、あいさつ代わりの活躍を見せた。
1番中堅で先発出場し、一回の初打席でいきなり中前打。「目付けを高めにして、直球を打ち返せてよかった」と喜んだ。三回2死三塁には、ミドルネームで祖父の名前でもある「タツジ」コールを浴びて打席へ。甘いスライダーを逃さずに中前へ適時打を運んだ。
強肩好守で鳴らす外野守備など、走攻守ともそろう。「一番大事なのは金メダルを取ること。手伝えることは何でもやる」と頼もしい25歳が、新たな一歩を踏み出した。
日 本 004 040 000|8
阪 神 001 000 000|1
▽勝 山本
▽敗 才木
▽本塁打 【日】大谷2(才木、富田)【神】近本(山本)
【時事】