母校100周年盛り上げへ 水墨画7点寄贈 黒北高OB・昆野さん【北上】
北上市孫屋敷の水墨画作家・昆野芳行さん(72)は、母校の県立黒沢尻北高校の創立100周年記念に向け、自身の水墨画7点を同校に寄贈した。
同校在学中から油絵を描き始め、現在も保険代理店代表取締役を務める傍ら水墨画に取り組んでいる。全国公募日美展水墨画部門でも最高賞に次ぐ文部科学大臣賞と作家大賞に輝くなど、数々の受賞歴があり、過去の実績から、展覧会で審査なしで出品可能な「無鑑査」となっている。
同校OBとして2024年度に迎える100周年の機運を盛り上げようと、奥州市江刺の金津流梁川獅子躍(おどり)が東日本大震災犠牲者の鎮魂へ厳かに舞う姿をイメージした作品や、迫力ある龍をモチーフとした作品、毛越寺庭園などを描いた水墨画を寄贈。同校美術部の生徒が昆野さんのアトリエに出向き選んだ。
北上市常盤台の同校で3日に行われた贈呈式には昆野さん、美術部の木野ひなの部長(2年)、上原央子さん(同)、吉田朱里さん(1年)らが出席。昆野さんは「日本の伝統芸能継承や震災犠牲者の鎮魂など一筆一筆、いろいろな思いを込めて描いた。生徒たちが見て、絵を描いてみたいと思ってくれれば」と期待。木野部長は「すごく繊細なタッチで、絵に込められた思いが心に伝わってくる。すてきな作品を頂けるのはすごく光栄で、大切に鑑賞したい」と感謝し、及川浩純校長も「とても価値があり、本校の宝になる」と語った。
水墨画は校舎階段の踊り場に飾り、季節ごとに掛け替えるという。