被災者へ祈り込め 衣川中生がコンサート 東日本大震災から12年【奥州】
奥州市衣川の市立衣川中学校(菊地榮壽校長、生徒90人)は10日、同校の昇降口階段で「届け わたしたちの歌 いのちの歌コンサート」を開いた。東日本大震災について学んでいる生徒の思いを歌に乗せて発表。地域の人たちが訪れて、生徒の合唱とメッセージに耳を傾けた。
同校では、震災の記憶を風化させまいと、階段に全校生徒が並んで合唱を披露する形式でのコンサートを2020年度から3月11日に開催。今年は11日が土曜日に当たることから前日に開き、保健委員会が牛乳パックで作った灯籠を「3・11」の形にして、階段の前に並べた。
コンサートは、花を手に持った特設合唱部による「おひさま」で幕を開け、全校や学年ごとに生徒たちが合唱を披露した。
曲間には「3月11日を何があってどう立ち上がったかを考える日にしたい」「世界中で地震や災害に遭っている人たちに平穏な日々が戻ることを祈る」などと生徒たちのメッセージが読み上げられた。
生徒会長の登藤萌花さん(2年)は「合唱に大変だった人や周りの人たちに向けた気持ちを込めた」と語った。合唱専門委員長の千葉美羽さん(同)は「小さかったので記憶や経験はないが、震災や復興について学んで感じている思いが歌を通して届けられれば」と願っていた。