災害の教訓伝え 大型紙芝居、合唱披露 平泉・すぎのこク 追悼夢灯り 東日本大震災から12年
平泉町立平泉小学校区の放課後児童クラブ「すぎのこクラブ」は10日、東日本大震災の犠牲者をしのぶコンサート「3・11追悼夢灯(あか)り」を同クラブ前で行った。2011年3月11日の震災発生から12年となる被災地に向け、手作りの夢灯りと大型紙芝居、合唱を通じて祈りをささげた。
命の大切さや災害への備えなどを伝えていこうと開催。会場にはクラブを利用している児童や保護者、クラブ職員ら約60人が集まり、手作りの夢灯りを並べて全員で黙祷(もくとう)をささげた。
続いて、児童が大型紙芝居「岩手・気仙沼・大島100年の大災害を学ぶ~3・11ひまわりを忘れない~」を上演した。クラブ職員がシナリオを書いて児童が絵を描いた作品で、明治三陸地震やカスリン・アイオン両台風などの大災害の歴史を振り返り、教訓とするよう力強く呼び掛けた。
児童はシナリオを読み上げる合間に歌を披露し、NHK復興支援ソング「花は咲く」、花巻出身の詩人で童話作家・宮沢賢治の文章に曲を付けた「雨ニモマケズ」、阪神大震災が発生した1995年から各地で歌い継がれている「しあわせ運べるように」、同クラブが宮城県気仙沼市の大島小の児童との交流で歌い続けてきた「アスナロウの木」を手話やオカリナの演奏を交えて合唱した。
春の冷たい風が吹く中、児童は被災地への思いを込め、大型紙芝居や合唱で一生懸命に声を響かせた。
瀧澤琥珀さん(3年)は「明治三陸地震や東日本大震災などで亡くなった方々がこんなに苦しかったんだと伝えるために紙芝居をした。少し悲しくなった。もしも大きな地震がきたら、平泉小学校の体育館に家族みんなで急いで避難したい」と防災意識を高めていた。