北上・西和賀

香川のうどん三陸へ 北上経由で支援リレー継続

香川発、北上経由の“うどんの支援リレー”を続ける三好さん(右)と髙橋さん
日の出製麺所代表取締役 三好修さん(58) さん食亭代表 髙橋靜雄さん(79)

 「毎年、仕事が落ち着く2月ごろになると釜石のことを思い出して、とにかく『また行かないかん』とずっと思っていました。まず髙橋さんに会ってお礼を言いたかった。お元気そうで、本当にうれしい」―。香川県坂出市の日の出製麺所代表取締役の三好修さん(58)は、北上市立花の農家レストランさん食亭代表の髙橋靜雄さん(79)と12年ぶりに再会し、喜びをかみしめた。

 三好さんが最初に釜石市を訪れたのは東日本大震災が発生して間もない2011年4月8日。本場さぬきうどん協同組合のボランティアスタッフとして市内9会場で温かいうどんを被災者に振る舞った。前日の朝、組合員11人が寸胴、ガスなど調理器具を車に積み込んで香川を出発し、当日、釜石に着いた。目に飛び込んできた風景は「とんでもないことになっている」と、初めは言葉にならなかったという。

 阪神大震災でもボランティア活動を行ったという三好さん。釜石では「炊き出しを始めてもなかなか寄って来なくて、子供たちが食べ始めてやっと集まってくれた。東北の人の奥ゆかしさを肌で感じた。反応が関西とは全く違った」。さらに「ガソリンを入れる長い列に並んでいたら、『四国から来たのか。それなら先に』と優先させてもらった。自分たちも困っていたのにね」と懐かしむ。

 三好さんらは帰途、休憩のために立ち寄ったさん食亭でコーヒーを振る舞われた。髙橋さんが全国からの支援物資を届けるなど被災地支援を続けていることを知り、三好さんは「うどんを被災地に届けてくれませんか」と依頼。香川と三陸沿岸を北上経由でつなぐ“うどんの支援リレー”はこうして始まった。

【17面に続く】

地域の記事をもっと読む

北上・西和賀
2025年5月10日付
北上・西和賀
2025年5月10日付
北上・西和賀
2025年5月10日付
北上・西和賀
2025年5月10日付