県内外

東日本大震災12年 きょう釜石で合同追悼式

 東日本大震災の発生から11日で12年となる。復興庁によると、全国の避難者は3万884人(2月1日現在)。東京電力福島第1原発事故の影響で、今も一部で避難指示が出ている福島県では昨年、帰還困難区域で初の居住再開につながる指示解除があったが、帰還を諦める人も多い。復興の程度には地域差もあり、被災者の実情に合った継続的な支援が求められている。【2、8、15、17、19面に関連】

 警察庁によると、死者は1万5900人、行方不明者は2523人。復興庁によると、疾病悪化などが原因の「災害関連死」は昨年3月末現在で3789人に上った。

 11日は岩手、宮城、福島各県で自治体主催の追悼式典が開かれ、地震発生時刻の午後2時46分に関係者が黙祷(もくとう)する。政府主催の追悼式は発生から10年の2021年が最後となり、岸田文雄首相は昨年に続き、福島県での式典に出席する予定。

 帰還困難区域を抱える福島県は、県内外で依然2万7399人が避難生活を送る。原発立地自治体の双葉町では昨年8月、ようやく全町避難が解消。帰還に向けた環境整備が進むものの、居住者は約60人にとどまる。放射線量が高く除染方法が決まっていない区域も多く、避難の長期化や高齢化を理由に帰還を諦める人も増えているのが現状だ。

 被災地の伝承施設などへの訪問者数は昨年、施設の新設もあり、コロナ禍以前を含めて過去最多となった。伝承活動の担い手確保が課題となっており、語り部によるオンライン配信や震災を経験しない世代による発信などの取り組みが続いている。【時事】


 県によると、震災による県内の被害状況は2月末現在、死者5145人、行方不明者1110人、負傷者213人、倒壊家屋2万6079棟を数える。

 復興の状況を見ると、防潮堤や復興道路などハード面の整備はほぼ完了した。残る社会資本8カ所のうち5カ所は2022年度末までに終える予定。宮古市の閉伊川水門、大船渡市の普金海岸防潮堤、久慈市の久慈港湾口防波堤の3カ所は23年度以降の完成を見込んでいる。

 一方で、被災者の心のケアやコミュニティー形成などソフト面での支援が引き続き課題となっているほか、沿岸地域の基盤産業である水産業で主要魚種の不漁など新たな問題も浮上している。

 11日は県と釜石市による合同追悼式が同市大町の釜石市民ホールTETTOで行われる。

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