県内外

寄り添い語り継ぐ 県・釜石市合同追悼式 東日本大震災から12年【岩手】

県と釜石市による合同追悼式で、東日本大震災発生時刻に合わせ黙祷する参列者

 甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から12年となった11日、県と釜石市による合同追悼式が同市大町の市民ホールTETTOで行われた。遺族をはじめ、県や市の関係者ら約250人が参列。津波などで亡くなった人たちに鎮魂の祈りをささげ、震災の教訓の伝承や復興への誓いを新たにした。【2、3、5、13~15面に関連】

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため一般参列者を市民に限定して行われた式では、国歌演奏に続き、地震発生時刻の午後2時46分から1分間、参列者が黙祷(もくとう)をささげた。その後、献花台に花を手向けるなどして犠牲者の冥福を祈った。

 達増拓也知事は式辞で哀悼の意を表し、震災発生からこれまでの復興の歩みに触れ、「復興はまだ終わっていない。被災された皆さんの心のケア、新たなコミュニティーの形成など一人ひとりに寄り添った支援を続ける」と語った。

 野田武則釜石市長は「愛する家族、親族、友人を一瞬にして奪われた方々の気持ちを思うと、今なお哀惜の念に堪えない。遺族、被災者が真の復興を実感できるまで寄り添いながら、市民一人ひとりが夢と希望を持って、生き生きと暮らせるまちづくりにこれからも全身全霊で取り組んでいく」と決意を示した。

 来賓として参列した渡辺博道復興大臣、五日市王県議会議長らに続き、遺族を代表して津波で両親を亡くした同市平田の佐々木淳子さん(67)が追悼の言葉を述べた。

 佐々木さんは「船や建物が渦を巻き、引き波で海底がむき出しになり、湾口防波堤がバタバタと倒される光景は目を疑うばかりだった」と振り返り、今後予想される巨大地震を踏まえ「未来の命を守るために釜石市防災市民憲章『備える 逃げる 戻らない 語り継ぐ』を継承していく」と誓った。

 県によると、震災による県内の被害状況は、2月末現在、死者5145人、行方不明者1110人、負傷者213人、倒壊家屋2万6079棟となっている。

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