北上・西和賀

被災地に思い巡らせ 各地で追悼行事 教訓、次代へ 北上・染黒寺 被災者が講話

震災から12年の歩みを語る阿部さん

 東日本大震災から12年となる11日、県南地方の各地で追悼行事が行われ、震災犠牲者の鎮魂や被災地の復興に祈りを込めた。

 北上ユネスコ協会(澤田育生会長)の「3・11鎮魂と復興の鐘を鳴らそう」は北上市川岸の染黒寺(中田芳明住職)で行われた。発災時刻の午後2時46分に合わせて澤田会長が鐘を突き、10人余りの参加者らが静かに手を合わせた。

 震災で大槌町の自宅を失った阿部惠子さん(79)=盛岡市在住=による講話では、募金活動をする子供たちの姿がありがたくて涙をこらえ切れなかったこと、何も無くなった家の跡地を目の当たりにして体の力が抜けたこと、合唱のコンサート中に亡くなった仲間を思い出して歌えなくなったことなど震災後12年間の体験談が語られた。

 夫が所属していた神楽団体の倉庫を建てるため、趣味の染め物を生かした手拭いを販売し、染め物が生きがいとなったと振り返り、「大槌もだんだんと復興している。私も自分に合った生き方を求めながら夢を追っていきたい。命ある限り頑張り、誰かに元気を与えられるようにやっていければいい」と語った。

 参加者全員で「鎮魂の歌」やNHK復興支援ソング「花は咲く」などを合唱。澤田会長は「災害の記憶が薄れつつある昨今だからこそ、犠牲者に祈りをささげ、被害と教訓を語り継ぐ場を続けていきたい。大切な人を失うなど、被災した人たちのこれまでの歩みに思いを寄せたい」と呼び掛けた。

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