花巻

物流施設着工 大和ハウス 災害時物資集積も 花巻市内2棟目 マルチテナント型

DPL岩手花巻Ⅱの外観パース

 大和ハウス工業(本社大阪市、芳井敬一代表取締役社長)は15日、花巻市二枚橋で市内2棟目となるマルチテナント型物流施設「DPL岩手花巻Ⅱ」の建設工事に着手した。2024年3月中旬の完成、入居開始を予定し、既にテナント企業を募集している。市と協定を締結し、地震など災害発生時には支援物資の一時保管や集積場所として活用する。

 同社は、東北道花巻インターチェンジまで1・4キロとアクセスに優れた二枚橋地区産業用地に、市内初のマルチテナント型物流施設「DPL岩手花巻」を21年3月に竣工(しゅんこう)し、満床となっている。働き方改革の「2024年問題」やドライバーの高齢化・担い手不足、既存施設の老朽化への対応などを背景に物流施設へのニーズは高く、1棟目隣接地の約3万7000平方メートルを取得し、2棟目を建設する。

 2棟目は鉄骨造り平屋建て、床面積1万9255平方メートル。荷物の保管スペースとトラックの接車に合わせて床が一段高くなった高所式で、天候に左右されないよう建物内にトラックが停車するスペースを組み込み入出荷ができる。

 1区画6200平方メートルで、最大3テナントの入居が可能。半導体・自動車関連部品、インターネット通販事業者、小売業、北東北方面への配送を手掛ける事業者などの入居を想定し、入居テナントによっては約120人の雇用を見込む。投資額は土地の取得を含め約38億円。

 同社は北上市や金ケ崎町にもマルチテナント型物流施設を建設し、県内ではこれまでに8棟、総延べ床面積12万8000平方メートルを開発。自治体との「地震等の災害発生時における物資集積協力に関する協定」の締結は全国で15例目となる。

 同日は現地で関係者24人が出席して地鎮祭が行われ、同社の浦川竜哉取締役常務執行役員らがくわ入れなどを行い工事の安全を祈願。引き続き協定締結式が行われ、浦川常務執行役員と上田東一市長が協定書に日付を入れた。

 浦川常務執行役員は「キオクシアの工場建設に伴いサプライヤー企業の新規立地が増加しているため、北上市、花巻市、奥州市でさらに需要が見込まれる施設。災害時にはDPLがあって良かったと感じてもらえる施設開発をしていく」と述べた。上田市長は「県内、北東北の物流拠点として企業、事業者のために大事な施設。支援物資の供給基地として使わせていただくことは心強い」と期待した。

地域の記事をもっと読む

花巻
2024年4月26日付
花巻
2024年4月26日付
花巻
2024年4月26日付
花巻
2024年4月26日付