旅の記念に駅カード 一ノ関駅が作製 ジパング、金色堂をデザイン
JR一ノ関駅(月居康男駅長)では、長引く新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ観光需要の喚起と地域の魅力発信を狙いに、世界遺産の中尊寺金色堂と2021年に運行を終了した観光列車「ジパング」をデザインした2種類の駅カードを初めて作製した。3月末まで一ノ関駅と平泉駅で無料配布している。
駅カードは鉄道の利用促進と沿線の活性化を狙いに、全国各地で発行されている。一ノ関駅では鉄道開業150周年に合わせて企画し、22年5月ごろから当時の職員5人が制作班として作業に当たった。
特にこだわったのがデザイン。ジパングは、世界遺産に登録された平泉を核とし岩手や東北地方の観光を盛り上げる狙いで、12年4月から21年10月まで東北線盛岡―一ノ関間を運行した特別列車で、「地域に根ざし、愛されている車両」として採用。中尊寺や平泉町観光協会の協力も得ながら構図を練り上げた。
カードは名刺ほどの大きさで、表面は奥に中尊寺金色堂、手前にジパングのイラストを配置。同じ構図で、夜の落ち着いた雰囲気を表したノーマル版と、新緑の木々を特別仕様で表現したキラ版の2種類を作った。
裏面のデザインは共通で、手前に西口前の大槻三賢人像が写り込んだ駅舎の写真に、駅の歴史や一関地方の餅文化の紹介文などを添えた。
2種類計6000枚を発行。同駅で行われた昨年10月の一ノ関駅まつり、今年1月の合格祈願イベントでも配布した。
制作班メンバーの勝智香子さんは「一関地方の魅力を詰め込んで仕上げることができた。県外に住むめいっ子が駅カードを楽しみに一関に来てくれた」、宮田万紀さんは「お渡しした瞬間に『かっこいい』と言われた。旅の思い出にもなり、作って良かったと思いながら配布している」と語っている。
配布時間は一ノ関駅が午前9時~午後7時、平泉駅は午前7時5分~午後5時40分。希望者は当日有効の入場券、乗車券、特急券、または在来線か新幹線の定期券、新幹線eチケットを駅員に提示し、確認が取れた場合に1枚に限り受け取れる。電話などは受け付けていない。