友と大船渡線の旅 市観光活用推進事業 今春卒業学生らツアー【一関】
JR大船渡線(一ノ関―気仙沼)沿線への観光誘客を目指す一関市は21日、「卒業旅行トレイン@大船渡線」ツアーを同市と宮城県気仙沼市で行った。利用拡大が課題となる大船渡線の魅力発信を狙いにしたイベントの第3弾。卒業を迎えた生徒、学生らが沿線の観光地などを巡り、思い出の一ページを刻んだ。
大船渡線は、JR東日本が利用者が少なく採算が合わないとして存廃も含めた見直しについて沿線自治体などとの協議を進めたい意向を示すローカル鉄道の一つ。気仙沼駅を除く13駅を抱える一関市は、2022年度に大船渡線の観光活用推進事業を実施しており、22年10月に秋の行楽シーズンに合わせて「秋のローカルガストロミー(美食) 海と山の季節を味わう野外レストラン」、今年2月に「ひなまつりの千厩探訪ツアー」を企画した。
第3弾となる今回は大船渡線を活用した卒業旅行がテーマ。今春卒業の高校生や大学生、専門学校生などのほか、新型コロナウイルスの影響で制限された学生生活を送らざるを得なかった21、22年春に卒業した人も対象としたところ、市内外から11人が参加した。
参加者は一ノ関駅発の臨時列車に乗り、車窓から沿線の景色を撮影するなどして大船渡線の旅を満喫。陸中松川駅で下車して石と賢治のミュージアムを見学後、猊鼻(げいび)渓で舟下りを体験した。その後に気仙沼市へ移動し、キャンドル作りを体験する「まちあるきコース」と、氷の水族館などを見学する「港町のアクティビティー体験コース」のいずれかを楽しんだ。
県立花泉高校を今春卒業した小岩優那さん(18)=一関市花泉町=は友人3人と参加し「卒業後は北海道に行くので、みんなと楽しい思い出になればと思って参加した。氷の水族館を楽しみにしていた」と笑顔を見せていた。
市では23年度も大船渡線の観光活用推進事業を実施する計画でいる。