一関・平泉

里山資源活用在り方は ゲスト2人が講演、対談 山んばサミット 東山【一関】

森林・林業に関わるゲストによる講演などが行われた第2回山んばサミット岩手

 衣食住の安全・安心な暮らしの構築を目指して活動する岩手やまんばプロジェクト(西島富士子代表)主催の「第2回山んばサミット岩手~山と生きる~」(岩手日日新聞社など後援)は25日、一関市東山町の東山地域交流センターで開かれた。森林・林業に関わるゲスト2人の講演や対談を通じ、参加者が里山の資源活用や自然との共生などについて認識を深めた。

 市内外から約130人が参加。西島代表があいさつし、「プロジェクトがスタートしてからいろんな仲間が関わり、いろんなことをやってきたが、小さな活動では山の荒廃は止められず、こんな山の状態では生きていけないという危機感がある。山とは何か、私たちが山とどう関わって生きてきたかを考えるきっかけになればいい」と語った。

 引き続き、ゲストの加藤木材代表取締役加藤政実さん(埼玉県狭山市)と川原工房代表取締役川原一三さん(滝沢市)がそれぞれ講演。西島代表がナビゲーターを務め、加藤さんと川原さんによる対談も行われた。

 このうち、「『食と触』の具体策としての『百年杉』とわたしたち」と題して講演した加藤さんは、床やベッドに百年杉を使っている顧客から睡眠の質の向上や副鼻腔(びくう)炎の症状軽減、腸の活性化など体調改善につながったさまざまな感想が寄せられたことを報告。皮膚という器官の鋭敏さや体の健康を保つため「食」と同様に「触」について考える必要性、住まいなど身の回りに石油製品があふれている暮らしの現状を指摘し、「常に石油由来の製品に触れている生活で体が悲鳴を上げている。皮膚が気持ちいいと思う暮らしをすることが大切。古くから使われてきた麻や杉を身近なところで使うのがいいのではないか」などと語った。

 同プロジェクトは2015年に第1回やまんば会議を開き、同市を中心に活動を開始。縄文と現代をつなぐ里山コミュニティーをテーマに衣食住の安全・安心な暮らしの構築を目指して活動を続け、18年に第1回サミットを開いている。

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