奥州・金ケ崎

英語力生かし外国人支援 小野寺さん(一関一高)医療通訳 国際交流協ボラ登録【奥州】

医療通訳ボランティアとして登録された小野寺さん

 奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)が運営している「市医療通訳派遣システム」に2023年1月、同市江刺愛宕の小野寺笑里さん(17)=県立一関一高2年=が高校生では初となる医療通訳ボランティアとして登録された。昨年末に同協会が開いた養成研修会を受講し、英語の通訳に必要な知識と心構えを学んだ。同協会では、同時に登録された同市水沢出身の久保晏輝さん(22)=東北医科薬科大薬学部4年=と共に若い世代の先駆者として活躍に期待している。小野寺さんは「患者さんにも、お医者さんにも安心してもらえる通訳になりたい」と抱負を語っている。

 同協会は15年4月、外国人が安心して医療サービスを受けられるよう通訳ボランティアを派遣する同システムを運用開始。現在83人がボランティアに登録しており、英語、中国語、韓国語、タガログ語、ベトナム語の通訳に対応している。

 小野寺さんは、3歳ごろから個人経営の英語塾で英語に触れ、同協会のイングリッシュキンダーガーデンに参加するなどして英語への興味を深めてきた。

 同協会のイングリッシュキンダーガーデン、プレップ・フォー・イングリッシュ、日本語教室などの事業もサポートしているという。

 小野寺さんは日本語教室で外国出身者と接する中、「働いたり、病院に行ったりするのは大変だろう」と感じたという。「自分に何ができるかを考えて、小さい頃から習っている英語を生かして外国出身者を助けられるのではと思った」と通訳ボランティアを目指したきっかけを話す。

 昨年12月の研修会では、医療通訳概要、通訳倫理、模擬通訳練習を経て、医療通訳者としての適性を判断する選考が行われた。小野寺さんは「病名や医療の専門用語は難しかった」と振り返り、講師を務めた同協会の渡部千春事務局長は「通訳に挑戦する意気込みに加えて、患者を支援したいという気持ちが感じられた」という。

 小野寺さんは研修を修了し、今年1月4日にボランティアとして登録された。登録されたばかりで派遣要請は受けていないが、「要請に備えて医療の知識を増やしている。安心して通訳を任せてもらえるようになりたい」と笑顔で語る。「将来は国際公務員を目指している」といい、「フランス語の勉強を少しずつ進めている」と目標を見据えた挑戦も続けている。

 高校生と大学生が加わったことについて、渡部事務局長は「2人の意気込みは素晴らしいと感じている。先駆者として若い世代を引っ張っていってくれることに期待している」と語っていた。

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