オヤマ、新工場建設へ 鶏肉処理2倍以上 一関・室根 7月着工
鶏肉生産加工販売業のオヤマ(本社一関市室根町、資本金5000万円、小山征男代表取締役)は、同市室根町折壁字愛宕下地内に新室根工場を建設する。鶏肉の処理機能は現状の2倍以上になり、生産量増加も図る。将来的な輸出増も見込んでおり、2023年7月の着工、25年4月の稼働開始を目指す。
同社は1969年創業。「奥州いわいどり」「奥の都どり」「地養鳥」などの鶏肉とその加工品を「安全、安心、健康」をキーワードに生産、処理、加工、流通、販売の一貫システムで供給している。本社工場のほか同市藤沢町や宮城県気仙沼市などに工場がある。
国産の鶏肉市場が拡大している中、現本社工場は建設から50年以上経過していることで衛生管理や生産能力に限界があることから、同社はさらなる生産量の増加を目指して5年ほど前から新工場建設を検討。現工場から西に約300メートルの位置にあった農地を購入し建設することとした。
新工場は鉄骨造2階建てで、敷地面積約6万8000平方メートル、延べ床面積約1万7000平方メートル。最新の機器を導入して脱骨などの自動化を図ることで、1日当たりの最大処理数を現在の3万2500羽から8万羽に増やし、製造機能、生産性の向上を目指す。2022年7月から進める造成工事は今年5月に終了予定で、7月に施設工事に着手し25年2月の完成、同年4月の稼働開始を目指して作業を進める。
総事業費は約125億円で、このうち92億円については北日本銀行など7金融機関で組織するシンジケートローン団が融資する。31日には融資契約締結式が一関市山目のベリーノホテル一関で行われ、小山代表取締役と北日本銀行の下村弘常務取締役が契約書を手交した。
新工場建設に伴い、国内向けの生産・販売量を増やす一方、現在は香港を主に行っている輸出をベトナムやシンガポールにも広げ、輸出売上高を現状の1億円から8億円に、全体の売上高も約110億円から160億円に伸ばす考えだ。新工場での雇用も現在の200人から100人程度増やす予定。新工場建設に伴い、16万羽を飼育する直営農場の整備も釜石市内で進めており、全体の増員も視野に入れる。
小山代表取締役は「新室根工場は社運を懸けた事業で、決意を新たに一致団結して邁進(まいしん)する。主要品目の奥州いわいどりを核に地産地消を実現しながら、安全・安心な日本一の商品作りを目指す」と語っている。