北上・西和賀

がん患者寄り添い20年 解散で市長表敬 びわの会【北上】

髙橋市長(右)に寄付金を手渡す髙橋みよ子さん(中央)と20周年記念誌を手にする髙橋正子さん

 北上市を拠点とするがん患者の会・ペイシェントアクティブびわの会が、3月末で解散した。「ひとりで悩まずに語り合おう」を合言葉にがん患者や家族、関係者が共にさまざまな活動をしてきたが、発足から20年を区切りに一つの役割を果たしたと判断。今後は分野ごとに独立し、引き続きがん患者や家族らに寄り添った活動を展開する。

 同会は患者同士の自助グループとして2002年に発足。毎年春と秋の里山散策会、各分野の講師を招いた「患者の学校」、市民公開講座、ピアサポート、太極拳、クリスマスコンサートなど市民と共に幅広く活動を展開し、語らいの場も大切にしてきた。

 当初、会員は女性のがん経験者ら6人だったが、活動を通じ輪が広がり患者や家族、医療関係者ら約100人に上った。当初に比べ組織も大きくなり活動量が増え、一度活動をリセットし新たな道を探ろうと22年度の20周年を機に解散を決めた。

 同会代表の髙橋みよ子さん(69)と会員の髙橋正子さん(77)が10日、市役所を訪れ髙橋敏彦市長に解散を報告。髙橋みよ子さんは「市のがん対策基金を活用して患者の学校やコンサートなどを開き、市民にも喜んでいただいた」と感謝し同基金に10万円を寄付し、20周年記念誌「いのちの軌跡」5冊を寄贈した。

 同会はがん患者の生の声を市政に伝え、市のがん対策施策にも生かされてきた。髙橋市長も「がんにかかっても希望を持って活躍できる環境をつくっていただいた。長年にわたる活動に敬意と感謝を申し上げたい」とねぎらった。

 今後は、がん患者や健康志向の市民も参加する「健康太極拳同好会」、ピアサポーター養成講座修了生による「ピアサポさくら」、がん患者や家族のよりどころの場「パミスの家」がそれぞれ独立して活動。髙橋みよ子さんは「みんな成人して独り立ちするイメージ。それぞれが緩く活動していきたい」と語る。

 ピアサポは養成講座を開き、県立中部病院で再度、患者の立場に立ったサポートを考えているという。パミスの家は、毎月第4土曜日に同市立花地内の会員宅に集まり、語らいの場とする。

 発起人の一人の髙橋正子さんは「がん患者は孤立したり、夜になれば心が痛んだりする。同じ仲間でごちゃごちゃと語り合い、発散する場にしていきたい」と話している。

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