刀剣の魅力幅広く 小道具、装飾にも着目 市立博物館50周年企画展【北上】
北上市立博物館開館50周年春季企画展「刀剣の愉(たの)しみ」は、同市立花の同館で開かれている。刀剣のほか刀装小道具なども合わせて展示し、装飾も含めた刀剣の幅広い魅力を伝えている。5月28日まで。
展勝地さくらまつり(今月30日まで)に合わせた毎年恒例の企画展で、開館50周年記念のトップを切って開催。市内の古美術収集家・故會田喜一さんのコレクションや同館所蔵品、刀剣愛好者が所有する39点を出展した。
今回は、江戸時代に活躍した地元黒沢尻出身の刀匠・齋藤正中の脇差しをはじめ、室町時代や江戸時代の刀匠が手掛けた刀、脇差し、やり、意匠を凝らした刀掛けも出展。現代刀では盛岡市在住の刀匠・山口清房さんの太刀も輝きを放っている。
さらに刀剣の外装「拵(こしら)え」として柄(つか)、鞘(さや)、縁頭(ふちがしら)なども並び、一点一点細かな装飾が施されている。着物の帯を刀袋としてリメークした作品や、鞘の留具「目貫」を加工したネクタイピンも展示。齋藤正中の刀剣には藍染めのストールを装飾品として添え、刀剣を一層際立たせている。
今回は「使う」「愛(め)でる」といった視点から、多様な文化的側面も含めて紹介。体験講座では美術刀剣研磨師の菊池真修さん(花巻市)の刀剣研磨実演、刀剣愛好家の齊藤剛さん(盛岡市)による居合演武などもあり、違った観点から刀剣文化を体験できる。相原彩子主任学芸員は「刀剣のいろいろな楽しみ方を実感し、身近に感じてもらえれば。見るだけでなく体験講座にも参加してほしい」と呼び掛けている。
開館は午前9時~午後5時。期間中の休館日はない。さくらまつり期間中は入場無料。5月以降は一般500円、高校生240円、小中学生170人。
甲冑(かっちゅう)体験会は定員10人(身長150センチ以上)で、午前11時~午後3時30分のうち1人20分間。演武、実演などは午後1時30分からで、予約不要。いずれも無料。
日程は次の通り。
▽29日=夢想神伝流居合演武、刀剣研磨実演▽5月4日=夢想神伝流居合演武、刀剣研磨実演▽5日=甲冑着用体験▽28日=展示のみどころ解説