「盛岡芸妓」文化継承へ 30日まで見習い募集 後援会 給与支給、研修支援【岩手】
伝統ある「盛岡芸妓(げいぎ)」の文化を次世代に継承しようと、盛岡芸妓後援会は芸妓見習いの「ひよ妓(こ)」を30日まで募集している。芸妓の高齢化で存続が危ぶまれる中、研修期間の2年間、ひよ妓に給与を支給するなどして生活面の不安を払拭(ふっしょく)し、後継者育成につなげる。
盛岡芸妓は、踊りや長唄などの芸事を身に付け、お座敷などで芸を披露し客をもてなす。明治時代には二つの花街で100人ほどいてにぎわったが、時代の変化で全国的に花柳界が衰退する中、盛岡でも近年料亭の廃業などが相次ぎ、活動の場が失われてきた。
全国的にもレベルが高い盛岡芸妓の技と心を継承しようと、2012年に盛岡市と盛岡商工会議所が中心となって後援会を設立。現在4人が活動しているが、3人は70代以上と高齢化が進んでいる。
一人前になるには2~3年の修業が必要とされているが、この期間は基本的に無給で生活に不安を覚えて修業を断念する人もいるため、今回は社会保険付きで2年間給与を支給することでひよ妓を経済面から支え、芸妓の育成につなげることにした。
応募資格は18歳以上の女性で、定員は2人。研修期間の2年間は盛岡市のNPO法人いわてアートサポートセンターの所属となり、半日は同センターが運営するもりおか町家物語館で仕事をこなし、半日は「ひよ妓」の稽古に励む。給与は月14万4000~15万8000円。週休2日制で、採用6カ月後に有給休暇が付与される。
履歴書の送付、問い合わせ先は、盛岡市清水町14の12(盛岡商工会議所内)盛岡芸妓後援会、電話019(624)5880。