植物や昆虫 質感再現 高橋さん粘土アート展 大迫図書館【花巻】
花巻市大迫町の粘土アート作家高橋竜子さん(71)の個展「ほんものそっくり粘土アート展」が、同市大迫町の大迫図書館で開かれている。眺めているだけで心躍る本物そっくりの世界が、来館者の関心を誘っている。27日まで。
多くの生き物たちが登場する宮沢賢治の童話世界が主題。賢治が生きた当時と変わらずに目にすることができる植物や昆虫などを樹脂粘土で再現している。
「待ちわびて」と題した作品は、スイセンや紅梅、白梅、ボケなど春に咲く花々を集めた華やかな逸品。早池峰山の固有種で朝露をまとったハヤチネウスユキソウ、さまざまな品種のナシやドングリなどの植物が並ぶ。
カブトムシやカイコの一生、トンボ、「星めぐりの歌」に登場するサソリなど昆虫、色とりどりのフルーツやスイーツに加え、JR釜石線を走る蒸気機関車「SL銀河」のラストシーズン記念グッズとして販売されているキューブ型の「SL銀河パン」を再現した作品もある。
高橋さんによると、いつかは朽ち果ててなくなってしまう植物や動物も、粘土で再現することで再び命を吹き込むことができるのが粘土アートの魅力という。「昆虫などは苦手な人も多いが、身近にいる生き物や植物に気付くきっかけになれば」と話す。
高橋さんが手掛けた賢治作品にちなんだ絵やはがきも展示している。時間は午前9時~午後6時。