束稲山麓地域 日本農業遺産認定アピール 県、構成市町 庁舎に懸垂・横断幕【岩手】
束稲山麓地域農業遺産推進協議会(会長・青木幸保平泉町長)は一関市舞川、奥州市前沢生母、同町長島にまたがる地域で構成する「束稲山麓地域の災害リスク分散型土地利用システム」が農林水産大臣による日本農業遺産認定を受けたことを受け、県や構成市町の庁舎に認定を祝う懸垂幕や横断幕を掲出した。
認定を広く県民に周知しようと作成したもので、横断幕は県庁と奥州地区合同庁舎、奥州市役所、懸垂幕は一関市役所と同町役場にそれぞれ掲出。一関地区合同庁舎でも大型連休明けに掲げられる予定で、いずれも「祝 日本農業遺産認定束稲山麓地域」の文字や構成市町などが記されている。
このうち町役場正面の懸垂幕は縦8メートル、幅1・2メートルの大きさで、2日に町農林振興課職員が設置。青木町長は「日本農業遺産は300年にわたる地域の人たちの生活の仕組みが価値として認められたもの。今後協議会として地域の振興はもとより、次のステップとなる世界農業遺産認定に向けた取り組みも継続していきたい」と語った。
同システムは、肥沃(ひよく)な土壌だが洪水害に見舞われる低平地と、水害はないが干ばつや土砂崩れの恐れがある山麓地を分散所有し異なる作物を組み合わせることで、自然災害リスク低減の工夫が行われてきた点が評価され、今年1月日本農業遺産に認定された。