奥州・金ケ崎

移植並み収量目標 水稲直播、雑草対策に力 土井田営農組合【奥州】

関係者らが見守る中で行われた土井田営農組合の直播作業

 奥州市水沢佐倉河の土井田営農組合は2日、同市水沢佐倉河字北宮田地内の水田で代かきと同時に水稲の種子をまく直播(ちょくはん)を実施した。4年目の取り組みで、2023年度は6・9ヘクタールでの直播で雑草対策に重点を置きながら移植栽培並みの収量を目標に掲げる。

 同組合は20年度に設立された。高齢化や米生産の高コスト化などを解消するため、直播の導入による人手不足解消と省力化を目指している。消毒した種子を根出し、はと胸発芽の状態でまく方式で、育苗や田植えを省けるなどのメリットがある。

 昨年度は7・9ヘクタールに多収量品種の「ちほみのり」を作付けし、10アール当たり510キロを収穫した。今年度は同じ品種を6・9ヘクタールに作付けし、10アール当たり540キロの収量を目指す。

 同日の直播は、生産者向けに省力化農業の重点を紹介する同組合主催の現地実演会を兼ねて実施。青空カレッジと題して県南広域振興局農政部の鈴木暁之部長らを招いて直播についての説明も行われた。

 実演では、専用のトラクターに付けた機械で種をまいた。種は2ミリ程度の芽が出たもので、10アール当たり6キロ使用。まいた種は機械の後部に付いたローラーで土がならされて少し沈むため食害はほとんどないという。

 ちほみのりはわせ品種で稲の茎が短く、倒伏しにくいという。同組合では今後、苗の生育状況を確認しながら水管理や雑草対策を重視する。千葉政三組合長(79)は「ドローン(無人機)による除草剤散布などを行いながら管理し、収量確保に向けて栽培していきたい」と話していた。

地域の記事をもっと読む

奥州・金ケ崎
2024年5月17日付
奥州・金ケ崎
2024年5月17日付
奥州・金ケ崎
2024年5月17日付
奥州・金ケ崎
2024年5月17日付