心一つに世界新 ギネス挑戦、1719人公認 江刺甚句まつり【奥州】
奥州市の江刺甚句まつりが開幕した3日、地元の42歳年祝連煌仁会(おうじんかい)と25歳年祝連陽翠心(ひすいしん)の合同提供イベントとして江刺甚句踊りの「ギネス世界記録」への挑戦が行われ、1719人が同時演舞に成功し、新記録を樹立した。江刺甚句を1500人以上で「間違えずに踊りきる」を目標に掲げて、心を一つにして踊った参加者は達成感に満ちた表情を見せた。
両年祝連は、江刺甚句踊りと創作演舞を披露するまつりの主役。多くの市民が参加できる形でまつりの節目を祝い、世界へ発信しようと、今年に入りさまざまな「世界一」を認定しているギネスワールドレコーズへの挑戦を表明した。今回挑んだのは「Largest fan dance(ラージスト・ファン・ダンス)」部門で、扇子かうちわを持って同時演舞するもの。香港での1174人がこれまでの記録だった。
新記録に挑んだのは、両年祝連をはじめ地元小中学校6校、年代連、一般ら合わせて1737人。主会場のおまつり広場周辺の県道、市道の約600メートルで行われ、全員が同じうちわを手にして伝統の江刺甚句踊りで臨み、「同時に5分間以上継続して踊る」をクリアするため、息を合わせて7分ほど踊った。路上では監視員が踊りを間違えた参加者の有無をチェックした。
ギネス世界記録公式認定員のジャスティン・パターソンさんが審査した結果、踊りがずれたほか、動きを止めて靴のひもを結ぶなどして18人がカウントから外された。結果は、煌仁会の安部敏弘会長(40)と陽翠心の大内結斗会長(23)に報告され、夜にはおまつり広場で発表された。
認定証を受け取った安部会長は「喜びと感動に包まれた。ギネス記録になり子どもから大人までが踊れる甚句踊りを地元だけでなく、世界にも発信できる。江刺地域を一層活性化していくことにつながるはず」と語り、大内会長も「達成感でいっぱい。まつりを後世につなげていくために大きな自信になった」と胸を張った。
参加した菅野蒼羅さん(江刺一中3年)は「子どもの頃から親しんでいる江刺甚句を大勢で踊ることができてうれしい。新記録達成で自慢できる」と喜んだ。