刀剣研ぎに興味津々 来場者が体験 博物館企画展関連イベント【北上】
北上市立博物館開館50周年春季企画展「刀剣の愉(たの)しみ」の関連イベントが4日、同市立花の同博物館で催された。美術刀剣研磨師の菊池真修さん(花巻市)による実演や刀剣愛好家の齊藤剛さん(盛岡市)の公演「夢想神伝流居合演武」が行われ、50人以上の来場者が刀剣の奥深さに触れた。
菊池さんは、日本刀の3要素として▽武器としての機能▽美しさ▽精神性―を挙げた上で、「ぴかぴかして美しいものが一瞬にして命を奪ってしまうという点で、神に通じる『恐れ』があった。昔は『刀に懸けて誓う』という言葉もあり、自らの命よりも刀を上に位置付けていた」「美しさは刀そのものだけでなく、所持する側の所作にもある」などと解説した。
研磨は刃を切れるようにする「下研ぎ」と、刀身を黒く、刃を白くする「仕上げ研ぎ」があるとし、作業を実演。
来場者が刀の重さを確かめたり、刀を研ぐ作業を体験したりする場面もあり、「刀を一度研いだら、どれくらい持つのか」「一つの砥石(といし)で何本の刀が研げるのか」など多くの質問が寄せられた。
作業を体験した奥村大悟さん(43)=東京都千代田区=は「歴史が好きで、刀に興味があったので参加した。日本刀や研ぎの技術は平安時代に完成していて、現代の人たちがそれを目指していることに感心した。刀の特に刃の部分を触るのは緊張した」と話していた。
同展は28日まで。5日は甲冑(かっちゅう)着用体験、28日は刀剣入門講座を予定している。