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県立博物館テーマ展 生物、地質部門の新資料公開 161件、3000点以上【岩手】

チョウセンアカシジミの標本約2000点を展示している県立博物館テーマ展

 盛岡市の県立博物館は、テーマ展「新収蔵・新指定展2自然史編~2018年度からの新コレクション~」を開催している。絶滅危惧種のチョウ「チョウセンアカシジミ」の標本コレクションや古い時代の学校教材など、生物、地質両部門の新資料を公開している。7日まで。

 2018年以降、両部門に新たに収蔵、登録された資料約3万8000点のうち、161件、3000点以上を展示している。

 チョウセンアカシジミは本県、山形、新潟3県のごく一部地域に生息する。国内で初めて本県で見つかったことが縁となり、長年調査・研究を続ける千葉県の収集家から寄贈された標本約2000点を紹介。国内の生息地をはじめ、ロシアや北朝鮮など国外の標本も含まれ、生息地によって色の違いを知ることができる貴重なコレクションとなっている。

 また、1903(明治36)年開校の胆沢農業学校を前身とする県立水沢農業高校の農場倉庫に保管されていた古い教材や生物・地質標本を展示。大正時代に養蚕指導のため製作・販売された紙粘土製のカイコの解剖模型は精巧な作りで、養蚕に力を入れていた時代背景がうかがえる。

 岩手大からは、調査・研究に使用されていた化石382点の寄贈を受けた。約3億7000万年前の古生代デボン紀後期のリンボクというシダ植物の化石はきれいなうろこ状の模様が観察できる。

 他にも、国内では本県沿岸部の三つの無人島で少数生息する海鳥クロコシジロウミツバメの剥製や新種の可能性があるアンモナイトの化石、和賀川(北上市)の約110万年前の地層から採取されたオオバタグルミの堅果化石なども並ぶ。寄贈資料が正式に登録・同定されるまでの流れを知ることができるコーナーも設けている。

 同館の佐藤修一郎主任専門学芸調査員は「寄贈を受けたり、学芸員が収集したりして新たに博物館に収蔵、登録された資料で、寄贈を受けた方への感謝の意味も込めてお披露目している。バラエティーに富んだ資料を見に訪れてほしい」と話している。

 開館時間は午前9時30分~午後4時30分(入館は4時まで)。入館料は一般330円、学生150円、高校生以下無料。問い合わせは同館=019(661)2831=へ。

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