チャットで利用調整 就学前の発達支援 保護者負担軽減へ【北上】
北上市は、発達に遅れがある就学前の子どもが円滑に発達支援事業所などの利用ができるよう「こども療育ネットワーク」の運用を今月中旬から始める。市と8カ所の民間児童発達支援事業所が官民協働でネットワーク化し、専用のチャットツールを活用して利用を調整する仕組みで、県内自治体では初とみられる。市保健・子育て支援複合施設hoKko内の市子育て世代包括支援センターで事業所への見学、予約を一括で受け、早期に療育が受けられるように改善する。
全国と同様、市内でも発達支援が必要な子どもが増加傾向で、児童発達支援に当たる民間事業所の設立も相次いでいる。市立こども療育センターと8カ所の民間事業所合わせて、2022年度末で131人が利用している。
これまでは支援を必要とする子どもの保護者らが自ら民間事業所を選び見学の予約をしたり、子育て世代包括支援センターを通じ市立こども療育センターに予約する必要があり、保護者らにとっては負担となっていた。
ネットワーク稼働後は包括支援センターが保護者らの希望、条件などを聞き専用のチャットツールを活用し民間事業所、療育センターの見学、予約を調整。ワンストップで対応する。
各事業所もこれまでは個々の問い合わせに対応していたが、ネットワーク活用で負担なくタイムリーな情報共有ができるようになる。市も事業所の情報、児童の状況を把握でき、切れ目のない支援につなげる。保護者、事業所、市いずれもメリットがあるシステムとなりそうだ。
未就学児のうち0~2歳は昨年度まで民間事業所を利用する場合は1割負担だったが、23年度からは市が独自に助成し利用者負担はなくなった。これで未就学児は民間、市立いずれも利用料はゼロ。民間事業所も個々に特徴あるプログラム、サービスを提供しており、市は今回のネットワーク化で利用する子ども、保護者にとって幅広い事業所の選択につなげたい考えだ。
市健康こども部の髙橋昌弘部長は「発達支援は早期対応が重要。スムーズに事業所を見学できるようにして保護者の負担を軽減し、早期療育につなげていきたい」と話している。