奥州・金ケ崎

第3弾は「りんごの告白」 恋するカレーパン くろしぇっと、6業者・農園とコラボ 酒かすで味わい豊か【奥州】

プロの総力を挙げて開発に取り組んだ新商品を囲み、笑顔を見せる関係者ら(左から4人目が鈴木代表取締役、5人目が石川代表)

 奥州市江刺のパン工房くろしぇっと(鈴木希代表取締役)は、市内のカレー店やリンゴ園、酒造会社などとコラボレーションして開発した新商品「恋するカレーパン・りんごの告白」を発売する。使用するリンゴの品種によって異なる味わいとなるように「リンゴをカレーの隠し味にしない」という強いこだわりで試行錯誤を重ねたほか、酒かすを生地に練り込んで軽やかな風味と、もちもちとした食感に仕上げた。開催中の「カレーパングランプリ2023」最高位を目指し、12日から店頭に並べる。

 同店は、同市水沢のカレー&ジャマイカ料理・ROYALジャマイ館とコラボレーションした「恋するカレーパン」2種を21年3月に発売。このうち「恋するカレーパン・キーマの誘惑」は同年11月にカレーパングランプリキーマ部門で上位2席の金賞に輝いた。「りんごの告白」では同グランプリ東日本焼きカレーパン部門にエントリーし、最高金賞を狙っている。

 コラボレーションしたのはROYALジャマイ館と同市水沢の小林商店、同市前沢の岩手銘醸、いずれも同市江刺のマルタカりんご農園と岩渕ファーム、つぶらりんご園。

▲パン工房くろしぇっとの新商品「恋するカレーパン・りんごの告白」

 鈴木代表取締役は「リンゴに関しては、あまり知られていない、いろいろな品種をマニアックに栽培しているのを知って、前々から商品化を試みていた。カレーパンに使うにも隠し味ではなく、カレーと五分五分で味わえるように、わがままを通して開発した」と振り返る。

 カレーは、ジャマイ館グループの石川悦哉代表が腕を振るい、野菜やリンゴの具材を大きめに切って入れ、ジャマイカ産カカオニブを使ったデミグラスソースで、子どもでも食べやすい甘口に仕上げている。

 酒かすについては大量廃棄されている現状から、鈴木代表取締役が活用策について相談を受けたことが使用につながった。純米酒の酒かすを仕入れ、生地に練り込んでいる。

 商品は丸みのあるパンに葉や軸を模したトッピングで、見た目もリンゴに似せた。酒かすや加工用リンゴの有効利用はSDGs(持続可能な開発目標)達成の取り組みにもなるとして、市から市版SDGsアイコンの使用承認も受け、ラベルに使用している。

 恋するカレーパンは、同市ゆかりのミュージシャン故大瀧詠一の曲「君は天然色」が、同市のJR水沢江刺駅の発車メロディーに採用された記念として最初に商品化された。

 新商品は、くろしぇっと、ROYALジャマイ館、小林商店などで販売を予定している。価格は税込みで1個320円。

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