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広島サミット ロシア核使用「許さず」 G7首脳声明 ゼレンスキー氏きょうにも来日

G7広島サミットのワーキングランチで記念撮影に応じる岸田首相(右手前)、バイデン米大統領(左手前)ら=19日午後、広島市南区のグランドプリンスホテル広島(代表撮影)

 先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は19日開幕し、広島市内のホテルで討議を行った。ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、核兵器の威嚇や使用は「許されない」と明記した首脳声明を発表した。威圧的な動きを強める中国への対応や核軍縮、人工知能(AI)についても議論。日本政府関係者によると、ウクライナのゼレンスキー大統領が20日にも来日し、21日に対面出席する。

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 岸田文雄首相は討議の冒頭、「分断と対立ではなく、協調の国際社会実現への貢献を打ち出す」と指摘。法の支配に基づく国際秩序維持の重要性を世界に発信する意向を示した。「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国への関与強化も訴え、各首脳は同意した。

 最重要課題であるウクライナ情勢に関する首脳声明は、ロシアを「最も強い言葉で非難」し、即時、完全かつ無条件の撤退を要求。対ロ制裁の強化とウクライナ支援の継続で一致した。ロシアに武器を供給する第三者を阻止するための連携強化も盛り込んだ。

 核軍縮に関し、首相は自ら提唱した「ヒロシマ・アクション・プラン」を説明。核兵器の不使用継続や各国指導者の被爆地訪問の意義について各首脳の理解を得て、ライフワークとする「核兵器のない世界」実現へ機運を醸成したい考えだ。

 一方、各首脳は対話型AI「チャットGPT」に代表される生成AIに関し、国際的なルール作りに向けた枠組み「広島AIプロセス」創設で合意。担当閣僚が議論し、年内に報告させることを申し合わせた。

 討議に先立ち、首相は広島市の平和記念公園でバイデン米大統領らを出迎えた。初めてG7首脳がそろって平和記念資料館(原爆資料館)を視察し、被爆者とも面会した。20日は韓国、インドをはじめとする招待国首脳を交えて食料問題などを協議。21日に首脳声明を採択して閉幕する。首相はゼレンスキー氏との個別会談も調整している。【時事】

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