佐藤紫煙の画業 月替わりで 生誕150周年記念し通年展示【一関】
一関市博物館で、一関出身の日本画家・佐藤紫煙(1873~1939年)の生誕150周年記念展示が開かれている。1カ月ごとに作品を入れ替えながら年間通じて紫煙の画業を紹介する企画で、来館者の関心を引いている。
紫煙は一関村(現一関市)に生まれ、画家を志して16歳で上京後、日本画家・滝和亭(たきかてい)(1830~1901年)に師事した。独立後は、イタリアの万国博覧会に出品するなど活躍した。
記念展示は同館の「舞草刀と刀剣」展示室で4月から行われており、季節に合った作品を基本としながら1~3点ずつ、さまざまな作品を紹介していく予定。
現在公開しているのは「花鳥図屏風(かちょうずびょうぶ)」。1921年の作品で、植物と動物を描いた6枚の絵で構成されている。常に若々しい松に長寿の象徴である鶴、マンネンタケとも呼ばれるキノコの霊芝を組み合わせるなど、めでたいモチーフが全面に盛り込まれている。屏風に向かって右から左にかけての絵の並びで四季の移ろいも表現しているとみられる。
同展担当の鈴木雄己学芸員は「何となく懐かしい風景で穏やかな気持ちにさせてくれる作品が多い。知識があれば深い見方ができるが、分からなくても楽しめる」と鑑賞を薦めている。
開館時間は午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)。月曜は休館。