諦めず挑戦続けて 永尾さん(元車いす陸上競技日本代表)講話 東水沢中出前授業【奥州】
元車いす陸上競技日本代表で日本人最多となる夏季パラリンピック7大会出場の永尾嘉章さんを講師に迎えた体験型出前授業「あすチャレ!スクール」(日本財団パラスポーツサポートセンター主催)は31日、奥州市立東水沢中学校で行われた。3年生120人が講話や競技用車いすの体験試乗などを通じ、諦めることなく夢や目標に挑戦する大切さ、共生社会の実現へ向けた一人一人の心掛けなどを学んだ。
永尾さんは1988~2008年のパラリンピック6大会に連続出場、16年リオデジャネイロ大会に出場後、17年に引退した。04年アテネ大会では日本選手団主将を務め、4×400メートルリレーで銅メダルを獲得した。
講話では、成功と挫折を味わった現役当時を振り返り「簡単に何かを諦めず、好きなことを見つけて一生懸命に頑張れば毎日が充実していく。そうすれば今の自分には想像もできない自分が未来に待っているだろう」と、生徒に将来への希望を抱かせた。
また、「困っている人を見掛けたら勇気を出して声を掛け、助けようとする気持ちが共生社会実現への第一歩だ。その気持ちを一人一人が持つことで世の中が変わる」と話した。
他にも「レーサー」と呼ばれる3輪の競技用車いすやバスケットボール用車いすの体験試乗、永尾さんによるレーサーのデモンストレーションも行われた。
部活動でバスケットボールに励んでいる富樫晟哉さん(14)は「講話を聴いて、諦めないという気持ちで、最後となる中総体や高校受験に臨みたいと思った」と話した。
同教室は、同財団が16年度から全国の小中高校や特別支援学校で行っている。22年度末までに47都道府県で1717回実施し、児童生徒約22万人が参加した。