田園彩る大輪の花 シャクヤク見頃 大東・漢方薬原料で栽培【一関】
一関市大東町大原字堰ノ上地内の圃場(ほじょう)で、地元の団体が漢方薬の原料として栽培するシャクヤクが見頃となり、大輪の花がのどかな田園風景を彩っている。
シャクヤクは、下内野自治会が2013年に設立したかじかの里薬草栽培研究会が植栽。同研究会は市農村地域活性化モデル支援事業を活用して薬草栽培に取り組み、当帰や白芷(びゃくし)、吉草根などの植物を育ててきた。
鎮静や鎮痛、抗炎症作用などがあるといい、大原字堰ノ上地内と大原字岩脇地内の3カ所の圃場(面積計約55アール)に計約1万3500本を植栽。このうち、21年に植栽した面積15アールの圃場では5月下旬頃から花が咲き始め、今は白や薄桃色、赤紫色の花が一面に咲き誇っている。
近所に住む熊谷カチエさん(86)は「みんなでまめに手を掛けてやっているので今年も立派に咲いた」と美しい花に見入っていた。
同研究会によると、シャクヤクは植栽から4年目以降に根を掘り出し、漢方薬の原料などとして製薬会社へ出荷している。原料の引き合いは多く、今年も栽培面積を拡大する予定だ。
同研究会の佐藤哲郎会長は「花は早く摘み取った方が根はよく育つが、皆さんに見てもらおうと咲かせている。花が好きな人は楽しんでほしい」と話す。
シャクヤクの圃場は入場無料。地元では付近を通る道路沿いに手作りの案内看板の設置も予定している。