奥州・金ケ崎

鋳物産業の新しい風に 地域おこし協力隊 太田さん(仙台出身)着任【奥州】

奥州市地域おこし協力隊に任命された太田さん(中央)

 奥州市は、地域おこし協力隊員として、仙台市出身の太田和美さん(35)を任命した。市が鋳物産業の後継者育成を目的に募集した4人うちの1人。作家やデザイナーの経験を持つ太田さんは、鋳物の技術習得と魅力発信を誓っている。

 委嘱状交付式は1日、奥州市役所で行われ、倉成淳市長は「デザイナーなどの経歴を持つ太田さんの視点で奥州市の魅力や課題が見えてくると思うので指摘してほしい。市の発展に協力いただきたい」と活躍を期待した。

 太田さんは、仙台市出身で栃木県育ち。同県内の高校を卒業し、東京造形大造形学部在学中から作家活動を始めた。隊員になる前はフリーの美術家、パフォーマー、ライター、デザイナーと幅広く活躍してきた。

 応募のきっかけは、2022年秋に奥州市で開催された創業塾に参加し、南部鉄器に代表される同市の鋳物産業に関心が高まったことや、市職員から隊員募集の情報提供を受けたこと。

 太田さんは「南部鉄器(鉄瓶)は伝統工芸品だけでなく、工夫が施された新しい製品が製造されている。私も鋳物産業に仲間入りし、協力して鉄瓶のツル(取っ手)のデザインや製造などを行いたい。次世代の人が体験できるようなシェアハウスを設けることや、いきなり職人ではなくアルバイトなどで働けるような環境づくりに取り組みたい」と抱負を述べた。

 太田さんを受け入れる水沢鋳物工業組合の菊地章副理事長は「太田さんという新しい風が入ることで鋳物産業がどのように発展するのかを見ていきたい」と語った。

 同市の地域おこし協力隊は、昨年12月から鋳物関連で4人、衣川地域の活性化を目的に2人を募集しており、今年度6人を任命する予定。太田さんの任期は最大3年間。

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