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適切な情報発信へ 線状降水帯対応も議論 県風水害支援チーム【岩手】

 県風水害対策支援チームは7日、2023年度第1回連絡会議を県庁で開き、災害が予測される際の適切な情報発信について意見交換した。発達した雨雲が連なり大雨をもたらす「線状降水帯」への対応も議論し、迅速な避難につなげるための方策を探った。

 同チームは16年の台風10号豪雨災害を教訓に、17年に設置。風水害が予測される場合に参集して市町村への助言内容を検討し、早期の避難体制確立につなげている。

 同日はチームを構成する国土交通省岩手河川国道事務所、盛岡地方気象台、県復興防災部、岩手大などから約20人が出席。22年9月の台風14号接近時の対応など、これまでの取り組みを振り返るとともに、今後の情報発信の在り方について意見を交わした。

 線状降水帯については、気象情報が出されるタイミングの問題などで、チームを招集する時間的余裕がないとされていたが、気象庁は5月25日、発生を伝える「顕著な大雨に関する気象情報」を従来より最大30分早く提供する運用を開始。今後も段階的に予測時間を延ばす方針を示しており、こうした状況も踏まえて対応を議論した。

 同大の齋藤徳美名誉教授は今月2日の台風2号接近に伴う発生予測を挙げ、「今回のように予測がうまくいけば、事前に線状降水帯もあり得ると助言することもできる。技術的な進歩や経験の蓄積に基づき、段階的に先を見ていく姿勢が大事」とした。同大の伊良沢道也名誉教授は、台風を伴わず単発で発生する場合もあるとして「さまざまなパターンで対応を検討することが必要だ」と指摘した。このほか、発生を想定した訓練を提案する声も上がった。

 終了後、同チーム班長の浅沼秀行県復興防災部副部長は「線状降水帯への対応は、問題意識としてあった。専門家からしっかり取り組むべきとの意見があったので、今後検討していく」と語った。 

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