北上・西和賀

酒瓶、新聞紙で包装 八重樫さん(市内)大賞 デザインコンテスト【北上】

きたかみクリエイティブコンテストの大賞作品。民俗芸能鬼剣舞の紹介記事が掲載されたオリジナル新聞紙で包んでいる

 北上市のNPO法人いわてNPO―NETサポートが2022年12月から23年1月まで募集したパッケージデザインをテーマとした「きたかみクリエイティブコンテスト2022」(北上信用金庫協賛)で、大賞にビウスデザインワークス(同市大堤西)代表でデザイナーの八重樫裕己さん(41)の作品が選ばれた。

 同コンテストは デザインの力で市内事業者が扱う商品のブランド化や販売促進を図ることなどを目的に初めて企画された。対象商品は▽冷凍展勝地ラーメン(展勝地)▽特別純米酒鬼剣舞(喜久盛酒造)▽シフォンケーキ(ケーキの国アリス)▽和賀ロール(洋菓子工房ケーキ屋shimizu)―の4点。

 国内のデザイナーと学生を対象とし、独創性があり、実用化・商品化を前提としたパッケージデザインを募ったところ、全国から54点が寄せられた。書面による1次審査を9点が通過し、市民による一般審査や審査員審査によって大賞1点が選ばれた。

 大賞に輝いた八重樫さんの作品は「鬼剣舞」の酒瓶をオリジナル新聞紙で包んだもの。表面には商品ロゴや鬼の面の写真を象徴的に配置し、裏面には鬼剣舞の歴史や衣装・道具、演目の解説などを写真付きで記している。海外でも知名度が上がっている民俗芸能と商品の世界販路を視野に英訳記事も掲載し、包装紙とパンフレットの両方の役割を持たせた。

 さくらホールで1日に行われた表彰式で八重樫さんは「新聞紙による包装は目新しいものではないが、民俗芸能が持っている土臭さ、地域感を出したかった。まだクリアすべき課題もあるが、QRコードで映像をリンクさせることもできる。大賞は大変うれしい」と話した。

 審査委員長の清水真介さん(ホームシックデザイン代表、盛岡市)は「パッケージに独創性を持たせるのは実は難しいが、どの作品にも随所に工夫が見られた。特に八重樫さんの作品は包装にとどまらない広がりがあり、メディアがくっついたお酒として話題性があり大賞にふさわしい」とオンラインで講評。

 喜久盛酒造の藤村卓也代表取締役社長も「観光客向けや贈答品用として大変良いアイデア」と興味を示していた。

 コンテストを企画した同NPOの藤原慶理事は「多くの企業に協力をいただき予想以上の応募があった。今後もこの輪が広がるよう継続していきたい」と語っている。

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