北上・西和賀

工業用水 供給増強 新北上浄水場 第1期完工祝い式典

新北上浄水場竣工を祝い、くす玉を割りテープカットする関係者

 県企業局が北上市二子町坊舘地内に建設を進めてきた新北上浄水場の第1期工事が完了し、稼働を開始した。半導体大手子会社・キオクシア岩手をはじめとする北上工業団地の企業に1日当たり約2万立方メートルの工業用水を供給。第2期工事も既に着手しており、最終的には第3期工事を含め旺盛(おうせい)な企業立地、規模拡大のニーズに応えていく。

 2017年に東芝メモリ(現キオクシア)立地が決まり、同局は工業用水の大幅な需要増を見据え、安定供給に向けて18年度から既設の浄水場隣接地3・33ヘクタールで新浄水場の整備に着手。さらに県は、盛岡市から御所ダムの水利権の移転を受け、北上市内でも同ダム放流水の利用が可能となった。

 第1期工事は20~22年度に総事業費約115億円を投じて進められ、予定通り昨年度内に完了。23年4月に給水を始めている。

 今月8日は完成を祝い竣工(しゅんこう)式が現地で行われ、県や国関係機関、市、施工業者、利用企業などから約60人が出席。神事に続く式で、達増拓也知事は「無事竣工できたのは関係の皆さんのご理解、ご協力のおかげ。新北上浄水場の整備により、ユーザー企業や新たに拡張進出を考える企業の需要にも十分応える準備が整った。今後もさらに工業用水の需要に合わせ、給水能力の増強に取り組む」と述べた。東北経済産業局の戸邉千広局長、東北地方整備局の山本巧局長、八重樫浩文市長が祝辞を寄せ、達増知事らと共に管理棟前でテープカットした。

 新浄水場は、北上川からポンプで取水し汚泥を処理して浄化する施設、きれいになった水をためる配水池、導配水管、管理棟などを備える。動力を必要としない高速凝集沈殿池を採用し、狭小な用地でも良好な水処理を実現した。

 既設の浄水場は工業用水を1日当たり約3万7000立方メートル供給しており、第1期工事の完成により合わせて約5万7000立方メートルの供給体制が整った。

 同局は4月に第2期工事に着手。25年11月の供給開始を見込む。第3期の着工時期は未定だが、全事業が完了すれば新北上浄水場の1日の供給能力は約6万立方メートルに上昇する。中里裕美局長は「工業用水は県全体の産業集積、雇用維持へ非常に重要なインフラ。半導体はまだまだ伸びる分野だけに、必要な時に供給できるよう体制を取っていく」と話している。

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